グレープシティは8月19日、Java EEシステム向けの入力インタフェース構築用コンポーネント「InputMan for Java EE 1.0J」を発表した。1993年から提供していたWindows開発向けの「InputMan」のJava版ともいえる製品で、まずはパンチャーを多数抱える大企業向けに提供していきたい考えだ。
InputMan for Java EE 1.0Jは、データを素早く正確に入力してもらうためのインタフェースを、システム側である程度準備するための製品といえる。
半角カタカナのみ入力を受け付けるテキストボックスに全角のカタカナが入力されるなど、規定外のデータ入力はシステムの不安定要因となる。また、画面数が多くなればなるほど工数負担は増していく。
InputManは、「テキスト」「マスク(郵便番号などの定型書式)」「日付」「数値」「リスト」「カレンダー」「電卓」の、7つのコンポーネントで入力を支援する各種機能を提供する。
具体的には入力文字種を指定することで、規定外のデータを確定させずにクリアしたり、自動で変換するなどの動作を行うことができる。テキストボックスに半角カタカナを指定している場合は、ひらがなで入力されると確定せずに消去、全角カタカナでの入力は半角カタカナに自動で変換するなどと動作する。
開発にあったっては、付属する専用のデザイナを利用する。デザイナでコントロールのスタイルや書式を設定し、JSPタグとして出力された設定情報をコピー、JSPのソースにタグを貼り付け、テストするのが一連の流れとなる。そのため、コードを書くことなく開発することが可能だ。
データ入力業務を実際に担うパンチャーにとっては、指定されたテキストボックスにフォーカスするとIMEが自動でオンになるなど、手戻りの発生を防ぐ支援機能が提供される。こうした機能によって、パンチャーの作業効率を向上させることが可能だという。
同社によれば、IME制御はWindowsアプリケーションでよく提供されてはいるが、ウェブアプリケーションではほとんど見られないという。
同社エンタープライズツール事業部の大島章太郎氏は、ウェブアプリケーションでもWindowsアプリケーションと同等のことを行えると指摘。「Windowsアプリケーションでできていたことがウェブアプリケーションでできずに、あきらめていたユーザーへこの製品を勧めたい」と話している。
価格は5台の端末で利用可能な開発ライセンスが47万2500円。運用サーバライセンスが73万5000円。9月24日から販売する。