話を元に戻しましょう。「経営ダッシュボード」とは、ITベンダーが主導して宣伝されたバズワードです。つまりITベンダーの視点からすると、
- どれだけ多くの情報を高速に他のシステムから取ってこられるか
- 取ってきた大量の情報をどれだけ高速処理することが出来るか
- 最終結果としてのKPIをどう綺麗に見せるか
では、経営ダッシュボードが無意味かというと決してそうではありません。今の経営ダッシュボードが問題なのは、ITベンダーの提示する差別化要因を重要視するあまり、まるで経営が成功する秘密のKPIがITツールを導入すれば手に入り、可視化できるかのように思わせている点です。概して、一般的なKPIの羅列を目の前にして、最初は凄いなと思いつつ、結局自分の欲しい肝心な情報はなく最終的には使わなくなってしまうというケースが多いのではないでしょうか。
経営者の視点に立てば、経営者独自のKPIの情報が即時にモニター出来れば、それはアクションに繋がります。発想を変えれば、各経営者が自分のKPIを簡単にITで可視化できれば、大変有効なツールになります。非効率的に情報を集めるより確実に次へのアクションを早めることになるでしょう。いっぽうで、経営者のKPIによってはITでは可視化できないものもあるという事は念頭に置かなければいけません。ITは魔法の箱ではないのです。
つまり経営ダッシュボードとして重要なのは、
- 経営者の求めるKPIがITで早く得られるか