トランプゲームのルールよりも簡単?
まず、図1として、BPMNで使われる基本的な図形の一部を紹介する。基本となる図形の種類は多くないから覚えるのも簡単だ。
最も基本となるのが、「丸」と「角丸長方形」と「菱形」の3つだ。丸は、発生する事象の「開始」と「中間」と「終了」を表す。角丸長方形は「作業」を表す。菱形は「判断」を表し「分岐」や「収束」に用いる。
これらを実線の矢印で接続して、作業が実行される順序を表現する。また、伝票やデータの受け渡しについては、メモのアイコンを用い、破線の矢印で接続する。これまでの連載でも何度か登場した「レーン」の表現を用いることもできる。
では早速、BPMNに基づいて、簡単なビジネスプロセス図を描いてみよう。前回まで「判断」を図の中に取り入れたことがなかったので、ここでは判断を含めることにする。第3回の図3で示した「見積書作成プロセス」が判断を含んでいるため、これをBPMNで表現してみよう。
図2のうち、顧客が見積依頼を出し、営業部で承認されて製造部へ製造原価の見積もりを依頼、承認するところまでをPBMNで描いてみよう。伝票等のデータの流れを入れると図が複雑になるので、ここでは含めずに描いてみる。
図3では、製造部での承認の過程で「500万円以上か?」という判断が入っている。「Yes」である場合は部長あるいは取締役が承認する作業に流れ、「No」である場合は分岐されて、部長クラスの承認へは流れないことを示している。図2のようなアバター(人形)は、見た目には大変カワイらしく、プレゼン資料などに使えばウケもいいのだが、業務の流れをより明確かつシンプルに示したいのであれば、図3のような表記がふさわしい。利用目的によって、図の描き方にもTPOがあるというわけだ。