思い立ったら即実行!--成功する「BPM実践法」

神永裕人(イエローリポーツ)

2009-04-10 15:00

 これまで数回にわたり、ビジネスプロセス・マネジメント(BPM)の意味やメリットなどについて整理してきた。ビジネスプロセスを可視化することの重要性、継続的な取り組みが不可欠であること、などは理解してもらえたかと思う。

 だが現実にBPMの取り組みを始めようとすると、どこから手を付けていいのか悩むことになるだろう。BPMの専門書を買ってきて一から勉強を始めるのでは、時間がかかってしまう。続々と登場してきたBPMのためのソフトウェアを、いきなり導入するというのではハードルが高過ぎる。

横川省三氏 「あらゆる規模の企業がBPMに取り組むべき時代になった」と語る横川氏。

 「で、BPMって、どうやって始めればいいの?」

 そんな素朴な疑問に対するヒントを、BPMの専門家である、日本能率協会コンサルティング、BPM推進センターマネージャーのチーフ・コンサルタントであり、日本BPM協会の理事で事務局長としても活躍する横川省三氏に聞いてみた。

 横川氏はBPM関連のコンサルティングを数多く手がけ、BPMの必要性や実施に関わるポイントなどを各種の講演で説いてきた人物だ。話の結論を一言でいうなら、「大げさに考えず、とにかく始めてみること」が大切だという。

すべての企業がBPMを実施すべき時代に

 「このところ業務を取り巻く環境は大きく変化しており、多くの企業で仕事の全体が見えにくくなっている」と、横川氏はまず指摘する。

 物理的に離れたところにいる関係者で業務を進める機会は増え、市場のグローバル化とともにその範囲は地球レベルへと広がっている。お互いの連絡は電子メールで取り合い、進捗の確認はイントラネットを使うことも当たり前。業務の一部をアウトソーシングするということも一般化している。

 以前のように、大部屋に社内のほとんどの社員が集まっていた時代には、「書類は課長のところまで届いたな」「今月の売上トップはあいつか」「製品見本が出来上がってきたようだぞ」といったように、仕事の全体を社員全員が共有することはそれほど難しいことではなかった(図1)。

 しかし、前述したような状況は大企業に限らず、中堅、中小規模の企業でも生まれている。仕事の全体像が見えないため、現場の社員は業務がなぜスムーズに流れないかが分からず、部門長は最終顧客に提供できる製品やサービスの品質が気にかかり、経営者は業績の上がっていかない理由がつかめない……。こうした状況は、いまやどの企業でも起こり得る。「すべての企業がBPMに取り組むべき時代になっている」と横川氏はいう。

図1 【図1】仕事の全体が見えにくくなっている今日的状況の改善に、BPMは効果を発揮する。(画像をクリックすると拡大表示します)

まずは「改善の習慣」をつける

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