Sunと提携関係にある富士通の代表取締役社長、野副州旦氏は先頃行われた会見で「顧客起点ということを考えれば、UNIXの資産をきちっと守り抜くのが当社の役割」と述べ、買収の行方に関わらず継続的にサポートする姿勢を見せている。
富士通にとっては当初、買収先の有力候補にあがっていたIBMに買収されるよりは、遙かに手を組みやすい買収先だといえる。
一方でOracleにとっての最大の成果は、Sunが持つソフトウェア資産を得たことだとの見方も出ている。
Solaris、Javaといったソフトウェア資産を持つSunを取り込むことで、Oracleが持つデータベース、ミドルウェア、アプリケーションまでのあらゆる階層のソフトを手にすることができる。
ここ数年、積極的なM&Aを続けてきたOracleが、ハードウェアを含めた総合ITベンダーへの脱皮を当初の計画に盛り込んでいたのかどうかはわからない。しかし、いずれにしろ同社のM&A戦略が新たな一歩を踏み出したのは確かだ。
むしろ、ソフトウェアという「たが」が外れたOracleの、これからのM&Aへの取り組みにこそ注目すべきかもしれない。