Microsoftは米国時間5月28日、D: All Things DigitalのカンファレンスD7で、最新の検索エンジン--および最新の検索ブランド「Bing」を披露した。
ブランド名の選択(これについては、2008年8月にこのブログで書いた)よりも驚きだったのは、Microsoftが検索というカテゴリ全体の位置づけを変えようとしていることだ。MicrosoftはBingを、「検索エンジン」ではなく、「意思決定エンジン」と称しており、その理由として、コンシューマーは「検索の次の段階」に進む準備が出来ており、Bingはよりよい意思決定を支援する、としている。
Microsoftは、Bing.comのロールアウトを「数日以内」に開始する予定で、6月3日に全世界規模で実装する。
これまでの「Live Search」と同様、Bingにはショッピング、旅行、健康、ローカルなどのバーティカル検索--いや、意思決定--のためのサブカテゴリが用意されている。Bingのローンチ時、新しいカテゴリとして、地図「Virtual Earth」も加わるという。Bingに合わせてサービスも名称変更し、現在、「Farecast」として提供されている旅行検索サービスは「Bing Travel」に、Virtual Earthは「Bing Maps for Enterprise」になるという。
Microsoftが最新のエンジンをどのように形容するにせよ、現在、検索における同社のシェアは低い。comScoreの調査によると、過去1年あまり、検索クエリにおけるMicrosoftのシェアは8%をわずかに上回るレベルを推移している。Googleは60%以上のシェアでトップをひた走っており、Microsoftが以前買収を試みたYahooは約20%のレベルだ。
Microsoftは過去にも、検索エンジンのブランド名を変更した(「Windows Live Search」から「Live Search」)が、シェア改善にはつながらなかった。また、潜在検索ユーザーの多くはMicrosoftの検索エンジンがwww.live.comであることさえも知らなかった。
Microsoftは広告エージェンシーのJWTと組んで、8000万ドルから1億ドルを費やしてBingという言葉を広める計画だ(JWTは、Microsoftが昨年展開した業務ソフトウェア向けキャンペーン「People Ready」を手がけたエージェンシーだ)。
Microsoftは引き続きOnline Systems Business(OSB)に大金を投じ、検索問題の技術をターゲットとすることでライバルに差を付けようとしている。2008年、Microsoftはセマンテック検索技術PowerSetを買収しており、この技術をBingに組み込むことで、検索結果の改善を狙うと思われる。
Microsoftは発表資料で、Bingの機能について、「動的にクエリのタイプを適合して関連性のある直感的な意思決定ツールを提供する新しいユーザーエクスペリエンスモデルに加え、エンティティ抽出と拡張、クエリ意図の認識、ドキュメントサマリー化技術など、コア検索分野」を強化したと強調している。
Bingの発表により、Microsoftの検索を使っていない人が移行するだろうか?どうすれば、「Googleする」から「Bingする」気になるだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ