販売実績の集計を5日に短縮--連結経営強化で資産効率向上図る:富士フイルム - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2009-07-07 22:00

 中西氏の言葉にあるように、情報共有、権限管理、即時性、ロジック、柔軟性などの要件を満たすことが、ソフト選定の大きなポイントになった。そして、外部に対してはセキュリティ、内部に対しては実施した処理のトレーサビリティも考慮点になった。

 さらに同社は、データの引き出しやすさ、導入コンサルティングの信頼性、そして旧システムである「Hyperion Enterprise」や既存インフラとの相性、またソフト導入に伴うハードやミドルウェア、アプリケーションを含めたトータルの導入コストと維持コストも選定のポイントとして上げた。

 これらの要件に基づき数種のソフトを検討した結果、最終的に日本オラクルのウェブベースの連結経営管理アプリケーション「Oracle Hyperion Financial Management」(HFM)の導入を決めた。「HFMは従来のHyperion Enterpriseに比べてハード面でのコストはかかるのですが、いろいろなソフトを比較し、HFM以外を選択することは考えられませんでした」と中西氏は説明する。

ブラウザでデータをやり取り

 このHFM導入で、同社のシステムはどう変わったのか。中西氏はまず、導入前の業務の流れをこう説明する。

 「関係会社からファイルがいったん吐き出され、それが富士フイルムホールディングスの経営企画部に取り込まれるというやり取りが何回もあり、データの吐き出し、取り込み、確認、整合性のチェックという作業が数多くありました。これは、とても数人ではこなせない作業量でした。さらにグループ会社の買収などもいくつか行われていますので、こうした会社への導入も考えると、とても追いつかないという状況がありました」

 つまり事業連結管理を行う上での一番の問題点は、関係会社からのデータがきちんと管理できないということにあった。各社から提出されてきたファイルも「データが入りました、事業部の方々、見て下さい」という形で、それで終わりになってしまうような仕組みだったということである。

 事業部と各社の間で修正を加えながらより良いものにしていくというやり取りをする間もなく、各社から次々とファイルが送られてきて、そのデータをシステムに放り込んで終わりとなっていた。各社の動きにとても追いつかないというシステムだった。

 HFMを導入して業務の流れはどう変わったのか。

 「各社はブラウザであるInternet Explorer(IE)を通じてデータを打ち込むだけです。同時に実績も予算も、事業部は自分たちが見るべきデータだけを見る、一方、経営企画部は全体を見るというように、いずれもタイムリーにお互いに同じデータを見ることができるようになりました。重要なポイントは、同じインフラの中に入っているかどうかを考えずにできるということです。たとえば買収などで連結会社となったという場合、次の日には入力しなければいけないということがあります。そうした場合は、インフラに取り込まれるまで時間がかかっては間に合わないわけです。しかし、これはIEを使ってやり取りしますので、つまり誰でもが持っているインフラで、しかもセキュリティが高い状態でできるということが最大のメリットだと思っています」

わずか4カ月で本番運用へ

 このシステムが本番運用を迎えたのは、VISION75を打ち出してから2年足らずの2006年1月である。同社は、当初の問題の洗い出しからこの本番運用までの作業を、わずか4カ月で完了している。つまり、プロジェクトがスタートしたのは2005年9月だ。

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