CERN、大型ハドロン衝突型加速器実験再開をまたも延期

文:Tom Espiner(ZDNet UK) 翻訳校正:佐藤卓、小林理子 2009年08月04日 12時38分

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 欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider:LHC)の運転再開が最近になって再び延期されたが、原因はホースの欠陥だったことがCERNの発表で明らかになった。

 CERNは現地時間7月31日に発表した広報資料で、世界最大の粒子加速器であるLHCで液体ヘリウムの漏洩が発生したのは、液体ヘリウム輸送回路のフレキシブルホースに問題があったためだと説明した。

 このホースによってヘリウムがLHCの真空遮断装置に漏れ出していたのではないかとCERNでは推測している。

 CERNは、電気系統の故障によって2008年9月に実験中止を余儀なくされて以来、LHCの運転再開日時を何度か遅らせている。最新の予測によれば、粒子加速実験の再開は11月半ば以降になる見込みだという。

 真空漏洩はセクタ8-1と2-3で7月に発生したものだ。CERNは当時、修理を実施するには、この2カ所のセクタの温度を80ケルビン(華氏:-315.67度、摂氏:-193.15度)から常温にまで上昇させる必要があると説明していた。

 CERNは8月3日に計画を変更し、これらセクタの端の部分にある真空サブセクタを常温に温めることで、漏洩箇所を特定して修理を行うと発表した。この部分以外の各セクタは温度が80ケルビンのままで「維持される」ことになる。

 2つの漏洩が起きた場所は、これらセクタの終端部分にある「Q7」と呼ばれる磁石が「DFBA」と呼ばれる電力供給装置と接続する部分だ。

 LHCの実験は、暗黒物質の存在など素粒子に関する根本的な疑問を解明するための研究を可能にすることを目的としている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ

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