かれこれ9カ月ばかりの間、SOAにおけるMicrosoftの活動はきわめて静かだった。しかし米国時間8月17日、プロダクトユニットマネージャのDoug Purdy氏が沈黙を破り、Microsoftのモデリングプラットフォーム「Oslo」の戦略の最新情報を明らかにした。
Purdy氏のブログによると、「Astoria」「Entity Data Model(EDM)」「Entity Framework(EF)」、XML、「ADO.NET」、ツール/設計ツールなどを担当するデータプログラマビリティチームがOsloチームと合体するという。Osloチームは、“M”言語(以前は“D”だった)、ツールの「Quadrant」、モデリングレポジトリなどの開発を進めている。
以下がPurdy氏のブログからの引用だ。
2つのチームの合体は、.NET開発者に何を意味するのか?“M”、EF、EDMとの連携に関する情報が増えるだろう。また、われわれのVS(「Visual Studio」)ツールとQuadrantがどのように連携するのか、“モデル駆動ソフトウェア”という考え方が既存の「.NET FX(Framework)」と一緒になってどのように進化するのか、などもある。これらの詳細については、PDC(「Professional Developers Conference」、2009年11月に米ロサンジェルスで開催予定)で披露する予定だ。
Purdy氏はまた、Microsoftの代表者が2007年に初めてOsloのビジョンを公開した際、「Oslo」がカバーする定義が広すぎたことも認めている。ある時期、Microsoftは、「Workflow Framework(WF)」の次期バージョン、「Windows Communication Framework(WCF)4.0」、アプリケーションサーバ「Dublin」、「BizTalk Server」の次期バージョン、将来の「SQL Server」などがOsloのコンポーネントになると述べていたこともある。
しかしここ数カ月、開発チームはOsloの位置づけを変え、プラットフォームのモデリングの部分にのみ「Oslo」という言葉を用いている。WF 4.0、WCF 4.0、Dublin、その他の2010年春にリリースを予定している“.NET 4.0”の派生物は、Osloの一部と位置づけていない。
では現在、Osloとは何を指すのか?Purdy氏は4月に、以下のように定義している。
現在“Oslo”という言葉は、モデリング--単なるデータスタックの技術用語に過ぎない--の部分を指す。われわれは、他の言語、インスタンスデータ、スキーマ、表現、機能を書くための言語(“M”)を提供し、データを格納するためのレポジトリ(SQL Serverデータベースとその中にある“カタログ”)を提供し、Nビュー(データをグラフィカル/テキストで表す)を得るためのツール(“Quadrant”)を提供し、データ作成やアクセスを支援するのに使う土台となる“モデル”を提供する。そして、このスタックを取り出し、Microsoft内の他の部署と協業してアプリケーションライフサイクル(設計、構築、管理)をこのスタックに組み合わせる。
Purdy氏はM、Quadrant、レポジトリなどの出荷時期について触れていない。だが、モデリング要素を担当するチームと別のツールを出荷するチームが合体することで、Microsoftの最新のモデリングプラットフォームが近いうちに姿を現すと予想できそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ