社内では具体的にはどう取り組んでいるか
我々のソフトウェアを用いたもので最も革新的といえるのは、「SAP 2008 Sustainability Report」で提供しているレポート機能だろう。ダッシュボードで二酸化炭素排出量を迅速に表示することが可能だ
SAP 2008 Sustainability Reportの「Our Performance」の項目では、グラフィカルなレポートを提供している。「Environment」「People」「Economic Impact」「Governance」の4項目についてレポートを提供しており、Environmentでは地域ごとや従業員あたりのCO2の産出量を表示させることも可能だ。
このレポートは情報の透明性が高く、企業の説明責任を表現することが可能になる。また、現在だけでなく過去の取り組みにまでさかのぼることも可能なため、透明性はいっそう高くなる。
SAPは2020年までに二酸化炭素排出量を2000年の水準にまで下げることを目標にしており、昨年1年間では1人当たり9~10トン削減できた。
身近な取り組みでは、出張を回避して飛行機に乗る回数を減らしている。また、SAPでは20台のビデオ会議システムを設置して、出張そのものも削減している。バーチャルカンファレンスセンターも設置しており、これらを合わせた効果は2万2000人分の移動を置き換える計算になる。
サステナビリティを企業の経営層に訴求
SAPのユーザー企業にはサステナビリティのソリューションをどう提案していくのか
サステナビリティの重要性について取締役レベルの人々に理解を深めてもらいたいため、特に企業の経営層に訴求していきたい。包括的なソリューションがあるということを十分に伝えていきたいと考えている。
サステナビリティ(という考え)を導入すれば、企業全体のリスクを的確に管理することにもつながる。また、サステナビリティを活用していることが評価されれば、株価にも追い風になるなど財務面でも良い影響が出る。