ジュピターテレコムが運営する全国9つのコールセンターのうち、ユーザーからかかってくる電話に対応するのは7拠点で、残りの2拠点は既存客に対する新サービスの提案などを専門に行っている。デジタル移行と同時により多チャンネルの契約や、従来テレビだけを利用しているユーザーに電話サービスなどを勧めていくことで、1ユーザーからの月額収入(ARPU)は全国平均で8000円を突破した。既存客へのコンタクトのため成約率も高く、戸別訪問に比べてコスト効率が高いという。
さまざまな機能が複雑に連携しているため、システムの維持と管理にかかるコストはかなり大きいが、上村氏は「CRMは、拠点は違うが同じ1人のお客さまを共通してケアするためのツール。全国規模で展開するがゆえに、営業、工事、カスタマーケアの人間が共通のツールを使わないと情報の共有ができない」と話し、投資以上の利益を得られていることを強調。
また、巨大なシステムではあるが、従業員が触れるフロントエンド部分はSiebel CRMでカバーされており、その中身を意識させない構成となっているという。これによって、より多くの従業員に積極的に使ってもらえるシステムとなったことも、導入効果を高めた一要因のようだ。