MicrosoftのWindows Server部門公式ブログが、デスクトップパラレルコンピューティングベンダーのInteractive Supercomputing(ISC)を買収したことを発表した。
この動きは、Microsoftが以前から進めている高性能サーバ機能の構築という方向性にフィットする。これにより、この市場で先行するLinuxに追いつく狙いだ。Microsoftはまた、広い意味でのサーバとツール、それに研究プロジェクトで並列プログラミングを容易にすることを目指しており、ISC買収はこれにもフィットする。
Microsoftは並列/分散コンピューティング分野でさまざまな取り組みを進めている。一例として、並列処理向け言語の「Axum」、「.NET Framework」の拡張機能「Parallel FX」などがある。今年前半には、新たに「eXtreme Computing」という事業グループを作り、エクサスケール・コンピューティングにフォーカスすることを明らかにしている。この事業グループを率いるのは、スーパーコンピューティングの専門家Dan Reed氏だ。
Microsoftで高性能&パラレルコンピューティング技術を担当するゼネラルマネージャ、Kyril Faenov氏は米国時間9月21日付のWindows Serverグループのブログで、以下のように記している。
ISCの製品と技術は、大規模なパラレルソリューションの高速なプロトタイプ、イテレーション、実装を実現するものだ。これは、デスクトップとクラスタで高性能コンピューティングと並列処理を容易にするというわれわれのビジョンと同じものだ。
Faenov氏はこのブログ記事中、MicrosoftはISC技術をある製品(名称は特定していない)の将来提供するバージョンに統合する計画を開始したと述べている。詳細については、「今後数カ月中に」公開するとのことだ。短期的には、ISCの「Star-P」既存顧客のサポートをMicrosoftが継続して提供するという。
ISCの最高経営責任者(CEO)、Bill Blake氏と同氏のチームは、米マサチューセッツ州ケンブリッジにあるMicrosoft New England Research & Development Centerに勤務することになる。
PEHubは米国時間9月21日、MicrosoftによるISC買収を報じていた。だが、Microsoftはこの報道についてコメントを控えた。
PEHubは、ISCのP-Starは「技術的コンピューティングソフトウェアで、ユーザーは数学的ソフトウェアのMATLABやPythonを使って自分のデスクトップでコンピューティングの問題をコーディングし、即座かつインタラクティブにパラレルの高性能コンピュータ(HPC)で動かすことができる」と説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ