支援サービスでは、マルチプラットフォーム、マルチベンダー環境におけるシステム最適化を実現することを目的に、「導入ワークショップ」「プラン&アセスメントサービス」「システム設計および構築サービス」「資産移行支援サービス」「運用管理基盤設計および構築サービス」「運用支援サービス」「評価支援サービス」「保守サービス」「運用設計サービス」を提供。また、東京浜松町のプラットフォームソリューションセンターを活用して、企業内クラウド環境に対応したセミナー、デモンストレーションメニュー、検証環境を提供する。
富士通から新たに提供する運用自動化ソフトであるBMC BladeLogic Operations Managerは、サーバのOS、ミドルウェア、アプリケーションのインストール自動化に加えて、OSインストールの定義情報やミドルウェアアプリケーションの設定情報をパッケージ化し、それぞれの作業を自動化する。
作成したサーバの複製イメージを、ServerView Resource Coordinator VEを活用して、各業務サーバに高速に配布することができるほか、サーバの構成情報を収集し、修正プログラムの適用状況などを検出。適用ルールに従って、修正プログラムを配布するため、迅速な適用が可能となり、オペレーションコストの削減が可能になる。
富士通と米BMCソフトウェアは、国内外での製品の販売だけでなく、クラウドインフラセンターでの共同での動作検証、顧客への提案活動を行っていく。

「マルチベンダー、マルチプラットフォームに対応できるという点を評価して、今回の協業を決定した。BMCの製品を活用した企業内ITインフラは、すでに富士通の沼津開発センターにおいて6拠点1000人規模で利用しており、サーバ使用時に仮想サーバ、物理サーバを自動的に設定して貸し出すクラウド型システムを構築。サーバ構築時間を360分から10分へと、大幅に短縮することができた」(富士通、プラットフォームソフトウェア事業本部長の堀洋一氏)としている。
クラウドコンピューティングにおいては、業務の流れや開発スタイルの標準化が進み、グループ会社のガバナンス強化、コストダウンなどの期待がある一方で、基幹システムの膨大なデータ処理やセキュリティ、信頼性に対する不安、今までに培った技術や文化、作法などの連続性に対する技術的課題などが指摘されている。
山本氏と堀氏はそれぞれ、「今回のインフラ製品群の提供、支援体制の構築によって、クラウド基盤技術による企業内ITインフラの標準化を支援し、ビジネス変化への即時対応、コストダウンを実現できる。また顧客の要求に応じたコンフィグレーションを提供できるのが富士通の特徴といえる」(山本氏)、「クラウドに関する技術は、これで終わりというのではなく、どんどん進化している。クラウド基盤技術を進化させ、提供していくことになる」(堀氏)とし、今後のクラウド市場における富士通の優位性を強調した。
同社では、2012年度までの3年間で約3000億円、2015年度には市場全体の20〜30%の規模にまでクラウド事業を拡大させる考えという。