日本IBMは11月10日、中国銀行と戦略的アウトソーシング契約を締結したと発表した。これに伴い、日本IBMは中国銀行の情報システムの運用および保守業務を請け負う。
契約期間は2009年11月から2018年10月までの9年間で、契約額は概算で120億円。アウトソーシングの対象は、ホストコンピュータやサーバなど主要システムの運用と保守だ。
中国銀行は、「ITを戦略的に活用し、顧客の利便性とサービスの安全性、安定性を確保するとともに、効率化を進める」ことを経営方針のひとつとして掲げており、これまでも情報システムを重要な経営資源と位置づけていた。こうした方針の下で、「今後の情報システムの安定化や効率的な運用、それを支える人材の活用と育成を目的に、中長期的な情報システムや体制のあり方を検討した結果、情報システムの運用と管理において豊富な経験と実績を持つ日本IBMへのアウトソーシングを決定した」(中国銀行)としている。
日本IBMは、業務プロセスや情報システムの運用と管理において、「これまでの実績に基づいたベストプラクティスの適用やガバナンス体制の強化などを通じて、情報システムの安定化、効率化、およびITコストの最適化などを実施していく予定だ」としている。
なお、中国銀行ではデータセンターの移転も同時に発表している。データセンター運営の高度化と次期基幹系システムを構築する環境の確保、さらにはBCP(事業継続計画)に対応するため、2012年1月をめどに移転するという。移転にかかる費用は約25億円となっている。