医療向けシステムを提供するメディウェブとネオジャパンは11月18日、提携して医療業界向けにSaaS型サービスを開始したことを発表した。医療業界向けのSaaS型での提供が今回は初めてとしている。
両社が提供するサービスは、医療機関と、医療機関から臨床検査を受託される企業との間で検査情報のやり取りをSaaS基盤の上で行うというもの。従来の臨床検査の受け付け、報告業務は、ほとんどが手作業によるもので、人的ミスの可能性をはらむとともに、時間やリソースのムダを抱えている。また臨床検査を依頼する病医院と、受託する臨床検査企業の双方が情報セキュリティの点で課題を抱えている。
臨床検査の受け付け、報告業務をSaaS基盤の上で行うことで、医療機関はクライアントPCの環境に影響されずに、既存の環境を有効活用できる。初期投資も抑えられると同時に既存業務コストやシステム運用コストを削減することも可能だ。
医療機関と臨床検査企業との間でやり取りされる臨床検査のデータは、記録媒体や紙だったが、今回のサービスを利用することで、セキュアな環境で安心に、そして簡単にリアルタイムで行えるようになるという。臨床検査のデータを医療機関に従来より早く届けられるとしている。また課題とされていた人的ミスの可能性を少なくできるという。
今回のサービスは、ネオジャパンが提供するSaaS型サービス「Applitus」にあるデータ配信ツール「desknet's DAX Extra」をもとに、ユーザーインターフェースやデータ処理、基幹系システムとの連携の面で新しい機能をカスタマイズして、医療情報の交換ツールとして作り上げている。
サービスの運用では、総務省が7月に開示した医療情報に関するガイドラインに準拠した体制を構築している。データセンター事業者のIDCフロンティアと協力することで、従来のSaaSより高いレベルのサービスを運用できる体制を取っていると説明する。