クラウドへの飛翔に向けて「SQL Azure」が始めた助走のスピードは?

大河原克行

2009-12-07 09:30

 マイクロソフトは、「Microsoft SQL Server 2008 R2 CTP(Community Technology Preview)日本語版」の提供を、11月25日に開始した。SQL Server 2008 R2では、超大規模並列処理機能の搭載や、プライベートクラウドへの対応といった機能強化を図っており、オンプレミス環境とクラウド環境をシームレスに利用することができるのが特徴だ。

 超大規模環境への対応としては、超大規模並列処理(MPP)機能によって数十テラバイトから数百テラバイトまでの超大規模データを高速に処理することが可能なデータウェアハウス(DWH)専用エディション「SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse エディション」と、最大256論理プロセッサ、無制限のメモリに対応した「SQL Server 2008 R2 Datacenter エディション」を用意する。

 また、プライベートクラウドへの対応では、「SQL Azure」の開発で培ったクラウドコンピューティング技術をオンプレミス環境でも活用するための機能を搭載するという。さらに、セルフサービスBI機能「PowerPivot(パワーピボット)」の採用により、専門知識を持たない社員が、IT技術者のサポートを得ることなく、様々なデータソースを加工し、分析できるようになる。

マイクロソフトが迎えた「意外」なパートナー

 この発表と同時に品質向上プロジェクトである「Center of Quality Innovation(CQI)」を強化し、パートナー企業4社との協力を行うことも発表された。

 CQIは、SQL Server 2008 R2をシナリオベースで実証評価し、品質向上を図るもの。マイクロソフト本社の製品開発チームと連携して、大手町テクノロジーセンターにて製品開発完了まで実施する。

五十嵐光喜氏 マイクロソフト、サーバープラットフォームビジネス本部長業務執行役員の五十嵐光喜氏

 さて、驚いたのは、この「協力していく4社」のなかに、NEC、日本ユニシス、富士通とともに、新日鉄ソリューションズの名前があったことだ。

 新日鉄ソリューションズは、オラクルと緊密な関係があるのは周知の通り。マイクロソフトから見ても、「案件ベースでは付き合いがあったが、ここまで踏み込んだ提携はこれまでに例がない」(マイクロソフト、サーバープラットフォームビジネス本部長業務執行役員の五十嵐光喜氏)ものとなる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]