たしかに、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は米国時間1月6日の「2010 International CES」の基調講演で、Microsoftの将来について多くを(というより、ほとんど何も)語らなかったかもしれない。だが、Ballmer氏はスピーチ中、多くの数値を公開した。その中で、わたしの注意を引いた数値が1つある。
Ballmer氏は基調講演中、「Windows 7」の新しい特徴や機能を活用する「Windows 7のアプリケーションは80万以上に達している」と述べた。これはすごいことだ。だが、80万ものアプリケーションはどこにあるのか?Windows 7で動くようにアーリーアダプターが修正中の業務用のWindowsアプリケーションもカウントされているのだろうか?タッチに対応し、新機能「JumpList」と親和性の高いプログラムがあることを、わたしはチェックし忘れているのだろうか?だれも知らされていない極秘のWindows 7アプリケーションをISV各社が準備しているのだろうか?
そうではない。どうやらこれは、Ballmer氏が自分の主張を誇張させただけのようだ。Microsoftの代表者は7日、80万以上とは、Windows 7互換のアプリケーションの数であって、Windows 7向けに最適化したアプリケーションの数ではないと認めた。
アップデート:このブログを掲示した後、Microsoftの代表者から以下のコメントをもらった。
Windows 7をベータ公開して以来、同OSで動くアプリケーションの数は約80万あり、Windowsアプリケーションは合計で400万以上ある。Windows 7向けにカスタマイズされたビジネスアプリケーション(企業がWindows 7向けに作成した社内アプリケーション)もこの中に含まれるが、内訳は公開していない。
Microsoftは、専用ウェブサイトでWindows 7と互換性のあるアプリケーションのリストを定期的に更新している。だが、大部分を占めるのは、Windows 7でも動く「Windows XP」「Windows Vista」アプリケーションであり、Windows 7購入を促進するような新しいタイプのアプリケーションはない。
これは、旧バージョンのWindowsにはないWindows 7の違いといえる。WindowsチームはWindows 7のローンチ前に、ISV各社やハードウェアメーカーを回って、自社アプリケーション/デバイス/システムがWindows 7で動くよう説明をしたと聞いていたが、Windows 7で新たに披露し需要を喚起するようなアプリケーションを開発する開発者を採用しているという話はなかった。このカテゴリに入るのは、いくつかのタッチ対応アプリケーション(「Betty Crocker」など)だろうか(「Kitchen Assistant」ですら、XPとVistaに対応しているのだ)。
それでも、「.NET Framework 4」が最新のワークフロー機能などとともに登場したら、まったく新しいタイプの魅力的な“Windows 7以降”のアプリケーションが登場する可能性はありそうだ。
読者の中で、Windows 7へのアップグレードを喚起するような魅力的な専用アプリケーションを知っている人はいるだろうか?どのようなローカル/クライアントベースのアプリケーションなら、Windows 7の売り上げを押し上げるだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ