NTTデータ、IFRS対応支援を国内展開--欧州の経験活用、グループ内で統合再編成

田中好伸(編集部)

2010-01-21 21:21

 NTTデータは1月21日、日本企業の国際会計基準(IFRS)対応を支援するために欧州で展開しているサービスを日本国内でも展開することを発表した。

 Cirquentやitelligenceといった欧州のグループ会社のIFRS対応プロジェクトで培ったノウハウを体系化、クニエやNTTデータ経営研究所などグループ各社のサービスメニューを統合、再編成して、トータルサービスを提供する。具体的には(1)「IFRS診断・インパクト分析」や「ロードマップ策定」の構想策定コンサルティング、(2)「業務改革実行・運用定着」、「会計システム構築」の実装運用定着サービス、(3)「社内教育」や「プロジェクトマネジメントオフィス」のプロジェクトマネジメントや教育の各サービス――からなる。

図1 NTTデータのIFRS対応サービス体系
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 NTTデータではサービスの特徴について、業界や業務の特性に基づいて業界別のIFRS対応要件を体系化、テンプレート化することで、グローバル企業、国内企業での業界固有のマネジメントスタイルや商慣習に合わせたIFRS対応を実現できるとしている。また、各社で異なる会計系を中心としたシステムのライフサイクル、現在抱えている企業内部の課題を踏まえて、IFRS対応施策の適切な優先順位付け、マイルストーン、ゴールの設定、実行施策のスケジュールも策定する。加えて、同社グループの欧州企業と合同チームを立ち上げて、欧州でのIFRS適用コンサルティング、システム構築実績とノウハウを日本国内に展開、プロジェクト実行でも適切にグループ連携を図るとしている。

 NTTデータでは、多くの日本企業のIFRS対応での喫緊の課題は、中期的ロードマップの確立と見込んでいる。ロードマップの策定では、組織、業務や情報システムの進展度、システムのライフサイクルなどに応じて適切なマイルストーンやゴールを設定することが重要と説明する。

図2 NTTデータのIFRS対応各サービスの概要
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 同社グループのIFRS対応サービスは、(ステップ1)IFRS適用による連結決算の開示、(ステップ2)グループ全体での制度、業務プロセス、ITの標準化、(ステップ3)グローバルな経営情報流通基盤確立と見える化――のように、ユーザー企業にとって最適なゴールを設定して、ロードマップを策定するとしている。

 NTTデータグループは、IFRS対応サービスを提供するあたって、NTTデータ内に「IFRSビジネス推進室」を設立。グループ企業のクニエ、NTTデータ経営研究所を合わせて、会計系を中心としたシステム構想策定、構築経験者、会計業務経験者、公認会計士などを含む総勢100人規模のコンサルティング体制を取るとしている。今後は「SAP ERP」や「Oracle E-Business Suite」、「Biz ∫」(ビズインテグラル)などの統合基幹業務システム(ERP)の構築を得意とする各グループ企業とも連携して、2011年3月末に300人規模の体制で、ユーザー企業のニーズに合わせたトータルサービスを提供するという。

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