福島氏は「金融事業もどう生き残っていくか危機感が必要だ。ニューノーマルの時代になり、変化が波のように押し寄せているが、単に変化に追随しようとすると後れを取ることもある。変化を読み、先取りして柔軟に対応することが重要になる」と話す。
アフラックでは、社内のITシステムに大きな問題を抱えていたという。ビジネスの要求が大きくなるとともにシステム規模が増大。工数も増加していたが、システムはなかなかスピードに追いつけず「保守を継続するのが困難な状態」(福島氏)にまでなっていた。福島氏はこのような状況にあったIT部門の刷新と強化を任され、インフラ環境の改善、アウトソーシングなどに着手する。
同社のIT部門はビジネスへの貢献を柱とし、売上げの増大や顧客満足度向上など、ITによるビジネス効果の創出、IT革新による競争優位性の確立を目指した。福島氏は「IT投資によりどれだけリターンが得られるかが重要になる」と話し、「今は改革の道半ば。ITの近代化だけでは経営に貢献しない。ビジネス戦略とIT化は合致したものでなければならない」と語った。また、ITを利用する「人」の意識改革も重視し、「ビジネスの進化に貢献するIT」とともに「人と組織の活性化」も軸とすべきであるとした。
保々氏は「Oracleの使命のひとつはビジネスプロセスの統合によって価値を提供していくこと。かつては他社製品で別々であったものも(企業買収により)Oracleのソリューションになった。それを我々が統合してシームレスにすれば、導入企業は『つなぐ』手間が省け、価値あるプロセスに時間を当てることができる。当社はさらにユーザーインターフェースの共通化も進めている。Oracleは顧客に、価値を高め、コストを下げ、スピードを上げる、そんなソリューションを引き続き提供していきたい」と述べ、基調講演を結んだ。