この1年ほどの間、数多くのウェブ批評家から、MicrosoftはTwitterを買収べきだという意見をよく聞く(同様に、GoogleがTwitterを買収して、Microsoftに買収されるのを阻止すべきだという意見も聞かれる)。
MicrosoftがTwitterを買収する--Twitterの創業者がその考えを受け入れればの話だが--これは、Microsoftにとって意味ある動きだろうか?最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏は今週、Twitter買収は自社にとって意味があると確信できないと述べた。だが、Ballmer氏はMicrosoftがTwitter買収を検討したことがないとは言わなかったし、将来もしないと断言することもなかった。
これらは、Search Engine Landの編集長Danny Sullivan氏が、米国時間3月2日に開催された「Search Marketing Expo West(SMX)」の基調講演で、Ballmer氏に検索関連の質問をした際に明らかになった。
以下は、Twitterに関するSullivan氏とBallmer氏の会話である。
Danny Sullivan:Twitterの話が出ましたが、Twitterを買収するべきだと思いますか?Twitterにはすばらしいデータがありますが、Twitterを丸ごと買収して、提供すべきだと考えたことはありませんか?
Steve Ballmer:わかりません。つまり、MicrosoftはTwitterとすばらしい関係を維持しており、提携しています。このような提携がなければ、とても遺憾に思うでしょう。MicrosoftがTwitterを買収する必要があるかどうかは、わたしには明確になっていません。ある意味で、独立した企業としてTwitterには大きな価値があり、ユーザーコミュニティの信用を得ていると思います。もし買収されて傘下となっても、コミュニティから同レベルの信頼性を得られるでしょうか?ここがはっきりと見えません。Twitterは独立した企業という立場を維持してよい仕事をしたがっており、そこでわれわれはすばらしい関係を持ちたいと思っています。
Twitterにまったく関心がない場合、Ballmer氏は関心がないと言うはずだ(Ballmer氏は自分の気持ちを話すことをおそれないタイプということを考慮すると)。だが、Ballmer氏の答え方(「わたしには明確ではない」)を読むと、MicrosoftはTwitter買収を検討したことがあるし、ひょっとしていまでも検討中ではないかいう気がする。
Microsoftウォッチャーにとっての最大の疑問は、もしBallmer氏がTwitterを買収する機会があったとして、買収してどうするのか、だ。TwitterはMicrosoftのオンラインシステム事業部の“リアルタイム検索”部門にするべきか?Twitter技術を利用して、新しいSharePoint派生製品を作るべきか?Twitterの頭脳をFUSE Lab(ソーシャルコンピューティング技術をMicrosoft製品に統合する作業を進めるラボ)に入れるべきか?それとも距離を置いて独立した子会社として運営するべきか?
1年前、まだわたしがTwitterをはじめる前に、「MicrosoftはTwitterを買収すべきではない」というタイトルでブログを書いた。この記事に対して、Twitter支援者やWeb 2.0ユーザーからたくさんの怒りのメールをもらった。今回もわたしは同じ主張をすべきかどうか?わたしは決めかねている。Twitterはまだ広告サービスなどの収益を生む仕組みを持っていないが、技術通やそれ以外のユーザーから多くの支持を集めている。
もちろん、現時点ではすべて憶測でしかない。Ballmer氏がTwitterは「独立した企業を維持したい」と述べているのだ。それでも、MicrosoftはTwitter買収を試みる理由、そうすべき理由があるだろうか?
ところで、憶測といえば、YahooのCEOであるCarol Bartz氏が、Microsoftが最初に買収を持ちかけたとき、自分がYahooのCEOだったら取引を進めただろうと述べている。Ballmer氏はきっと、買収話がこじれた後にBartz氏がCEOになってくれてよかったと思っているはずだ。Microsoftは500億ドル近くを費やしてYahooを買収することなく、この2年でYahooから多くの人材を引き抜いており、Yahooのウェブ検索結果に自社技術を提供するという提携をとりつけたのだから。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ