マイクロソフト、「XNA Game Studio 4.0」で「Windows Phone 7」をサポートへ

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子

2010-03-11 11:17

 3月9日から13日まで米国で開催されている「Game Developers Conference(GDC) 2010」で、Microsoftは「Windows Phone 7」のツール面での情報を公開する計画だ--ここでは、いかにしてゲーム開発者を最新の携帯電話プラットフォームに取り込むかが焦点となる。

 ここで重要になるのが、ゲーム開発ツールの「XNA Game Studio」だ。GDCでMicrosoftは最新版となるバージョン4.0の情報とともに、参加者に最新機能をプレビューしている。

 現行版のバージョン3.1では、開発者はWindows搭載PC、「Xbox 360」「Zune」に向けてアプリケーションを構築できる。XNA開発プラットフォーム担当リードプログラムマネージャーのMichael Klucher氏のブログによると、バージョン4.0では、Windows PC、Xbox 360、Windows Phone 7 Seriesの携帯電話(だが「Zune HD」は対象外)に対応するという。

 Microsoftは2010年2月中旬の「Mobile World Congress」にてWindows Phone 7の計画をプレビューして以来、情報を少しずつ公開している。同社の幹部は開発者、顧客、パートナー企業、報道陣に対し、携帯電話開発に関連した情報は「MIX 10」で「全て公開する」と述べてきた。MIX 10は3月15日に開幕となる。

 だがMicrosoftは今週のGDCで、XNA側からみたWindows Phone 7関連情報を公開している(「Silverlight」関連情報は来週以降に明らかになる予定だ)。Klucher氏は米国時間3月9日付けのブログで、そのいくつかを報告している。

Windows Phone 7 Series上のハードウェアアクセラレーション3D APIがある。「Visual Studio 2010」との統合もある。多くの人の要求を受け、Audio APIでバッファされた音声サポートも追加した。

Xboxパートナー向けに独占的に提供するXNA Game Studio 4.0の主要コンポーネントとしては、Windows Phone 7 Seriesでのプレミアムゲームエクスペリエンスと「Xbox LIVE」がある。Gamer Services APIを利用して、ユーザーのGamertagと2D Avatarをゲームエクスペリエンスの一部として利用できるようになった。プラットフォーム上の実績のロック解除、非同期のターンベースのゲーム用通知などを活用できる。

 Microsoftは今後も「XNA Game Studio 3.1」を通じてZune向けのゲーム開発を支援するとKlucher氏は述べている。だが、Zune向けにゲームを構築した開発者に対しては、将来的にWindows Phone向けにポーティングすることを奨励するとも述べている。

 「開発中、(ZuneゲームをWindows Phone 7向けにマイグレーションする)作業をわれわれがテストしてみたところ、『Hexic』や『Goo Splat』などのゲームは1時間程度で動かすことができた。とても簡単だ!」とKlucher氏はブログで報告している。

 MicrosoftがZuneプレイヤーを「3つの画面とクラウド(3 Screens and a Cloud)」戦略のターゲットとして継続しないとしても、不思議ではない。Microsoftは今後数カ月、あるいは数年かけてZuneを端末ではなくサービスに変えようとしているのだ。Microsoftの代表者は2月、Windows Phone 7に対応した全ての端末がZuneに対応すると繰り返し述べていた。

 だが、Microsoftは“Zune HD2”タイプのプレイヤーを開発中といううわさをいくつか耳にしている。「iPod touch」に似た端末で、2010年後半にも発売といわれている。とすると、Zune HDをXNA Game Studio 4.0のサポート端末から外すというMicrosoftの決断は、一部の開発者やユーザーを怒らせるのではないかと思うのだが。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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