Microsoftは米国時間4月19日、自社がホスティングするクラウドサービス「Windows Intune」を発表した。
Windows Intuneは開発に1年以上を要した技術だ。Microsoftは2009年春、システム管理のクラウドサービス「System Center Online Desktop Manager(SCODM)」計画を大々的に披露した。SCODMは「Jupiter」という開発コード名を持つもので、限定テストに入ったが、そのまま消滅したかのようにみえた。
Windows Intuneは、SCODMに新たなライセンスとWindowsの成果物を加えたもので、SCODMの再ローンチとなる。まずは、5月16日までに申し込みをした米国、カナダ、メキシコ、プエルトリコの企業1000社を対象に提供する。
Windows製品管理部門のディレクターSandrine Skinner氏によると、Windows Intuneでは、SCODMテスターからのフィードバックに基づき、主として中規模企業向け(PCの台数が25〜500台)にポジショニングを変更したという。この規模の企業では、年間ライセンスプランのSoftware Assuranceに加入していないことが多い。
Windows Intune(開発コードは「Florida」に変更されている)の目標は、管理者がどこからでもPCを管理したり安全にできる手段を提供することだ。Windows IntuneはオンプレミスのWindowsとWindows管理ツールの2つのコンポーネント、オンライン管理、セキュリティサービスなどで構成される。
顧客は、現在、Software Assurance契約を結んでいる顧客のみに提供されている「Windows 7 Enterprise Edition」「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」、デスクトップ実装・管理ツールセットを利用できる。
「Enterprise Agreement顧客がSoftware Assuranceで得られるメリットを、Software Assuranceに加入することなく利用できる」とSkinner氏は述べる。
クラウド側ではSCODMと非常に似通った内容となり、ウェブベース管理コンソール、デスクトップモニタリング・設定、更新管理、リモート支援、資産管理などの機能も含まれている。
(次のスライドは、SCODM発表時のものだ。比較用に掲載する。)
Windows Intuneサービスは、「Microsoft Malware Protection Engine」(コンシューマー向け無料サービス「Microsoft Security Essentials」と企業向け「Forefront」で利用されているマルウェア対策/ウイルス対策エンジン)上に構築されている。「Windows XP」「Windows Vista」「Windows 7」にクライアントベースのソフトウェアをインストールすることで、管理者は企業ネットワークの外にあるものも含め、ユーザーのマシンにセキュリティポリシーを設定できる。
Skinner氏によると、Windows Intuneの正式版は今後1年以内に提供する予定という。価格など詳細については提供時に明らかにするとのことだ。
Windows Intuneに対して、企業はどのような反応を見せるだろうか?Windows 7 EnterpriseとMDOP機能が加わったことで、魅力的で使い勝手のあるツールとなっただろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ