日本インフォア・グローバル・ソリューションズは11月4日、ユーザーインターフェース(UI)基盤「Infor ION」を発表した。同社の主要顧客層である中堅企業向けに提供する。
同社の米本社Infor Global Solutionsは6月に米Microsoftと提携。今回のInfor IONはMicrosoft製品のSharePoint ServerやSilverlight、Windows Azure Platformと連携すると同時に、標準技術であるWebサービスをベースにしている。Infor IONを活用すれば、UIが統一されるとともに、統合基幹業務システム(ERP)や顧客情報管理システム(CRM)、サプライチェーン管理システム(SCM)などの複数のビジネスアプリケーションを連携させることができる。
Infor IONが提供する機能は(1)Infor ION Desk(2)Infor ION Connect(3)Infor ION Workflow(4)Infor ION Event Management――の4つになる。
Infor ION Deskは、すべてのメッセージを、標準規格団体のOAGiが定めるWebサービスの標準規格「OAGIS」に準拠したフォーマットに集約してブラウザベースのインターフェースで表示する。専門のIT部門を持たない中堅企業でも、アプリケーションをまたがったビジネスプロセスの定義や管理が容易に行えるようになるという。
Infor ION Connectは、標準のサービス指向アーキテクチャ(SOA)に準拠した技術基盤であり、自社運用(オンプレミス)や社外のクラウド上のデータの格納場所に関係なく、活用するすべてのアプリケーションを横断したデータ共有が可能になるとしている。
Infor ION Workflowは、企業が定義したルールに基づいた業務プロセスを処理する仕組み。複数の組織や事業所を横断する文書送信が自動化できると説明している。
Infor ION Event Managementは、納期を約束している作業やサービス品質契約(SLA)に関係するタスクの進捗状況を監視し、例外処理や法令順守(コンプライアンス)違反の可能性が発生した場合に、自動で警告を発信するなどのイベント管理ができるという。
米本社で製品管理担当シニアディレクターを務めるJames Willey氏は、Inforが従来から進めている「Open SOA」戦略とInfor IONとの関連性について「Infor IONはOpen SOAの第2段階と呼べるもので、Open SOAと親和性がある」と説明。Infor IONは「使い勝手がよく、ユーザーエクスペリエンスのシンプル化をもたらすことができる」と、Infor IONがUI基盤として優れたものであることを強調している。