モバイル機器を狙うマルウェアが増加しつつあるものの、ユーザーのセキュリティ意識はあまり向上していない。本記事で紹介する対策を実行することで、モバイル機器の安全性向上に役立ててほしい。
モバイル機器を利用するユーザーの数が急増し、企業においてもモバイル機器が急速に浸透しつつあるなか、モバイル機器を狙うマルウェアに対する懸念が増大してきている。もっとも、モバイル機器のセキュリティが注目を集めつつある一方で、マルウェアの危険性がコンシューマーに周知徹底されるようになったとは到底言い難い状況である。スマートフォンのユーザーはすべて--大企業のITチームも同様に--モバイル機器を狙うマルウェアによってもたらされる脅威について認識し、身を守るための手段を講じる必要がある。以下は、そういったことを行う際に役立つティップスである。
#1:下調べを行う
マーケットで公開されているアプリケーションについては、スマートフォンにダウンロードする前に下調べや検証を行うとともに、レビューにも必ず目を通すようにしてほしい。つまり、あなたのデータを漏洩させてしまう可能性のあるアプリケーションでないことを確認しておくというわけだ。また、あなたがダウンロードしたアプリケーションに対する、他のユーザーからのフィードバックにも常に目を光らせておいてほしい。怪しいアプリケーションや悪意のあるアプリケーションには、ユーザーからの指摘がフィードバックとして寄せられることも多いためだ。
Androidを搭載した機器は広く普及しており、さまざまなリポジトリからアプリケーションを入手できるというオープンなエコシステムが災いして、特に脆弱なものとなる可能性がある。一方、iOSを搭載した機器は「塀に囲まれた庭」という発想に従っており、インストール可能なアプリケーションが管理されるようになっている。
企業の場合、ポリシーの一環として、安全なアプリケーションをリストアップしておき、ホワイトリストとして提供することを検討してほしい。このアプローチによって管理の手間は増えるものの、それだけの価値はあるはずだ。ホワイトリストに掲載されているアプリケーションのインストールのみを許可しておくことで、ユーザーの手にソフトウェアが渡る前に、完全な検証が可能になるというわけだ。
#2:リスクの高いアプリケーションストアを避ける
アプリケーションをスキャンし、マルウェアに感染したアプリケーションは公開しないというポリシーで運営されている正規のアプリケーションストアのみを利用するとともに、提供元が不明なアプリケーションのインストールを許可するような設定にはしない。また、公開が停止されたアプリケーションに関する情報にも注意しておく。
iOSを搭載した機器の場合、ジェイルブレイクしていない限り、Apple側でこういった面倒を見てくれるはずだ。つまり、Appleのアプリケーションストア以外からアプリケーションをダウンロードすることができないようになっているのである。しかしAndroidでは、提供元の不明なアプリケーションが公開されていたり、サードパーティーの運営するアプリケーションストアが一般的となっている。マーケット以外のウェブサイトで公開されているアプリケーションは、きちんとしたマーケットで公開されているアプリケーションほど入念に検証されていないはずだ。少なくとも、Amazon Appstore for Androidのような信頼できるマーケットのみを利用するようにし、Android Marketにも公開されていないような、ウェブサイト上のアプリケーションは避けるようにするべきだろう。