Amazon Web Servicesは1月12日、専用線接続サービス「AWS Direct Connect」が東京リージョンでも利用可能になったことを発表した。これまで米国の東海岸と西海岸だけだったが、今回は東京のほかにロンドン、シンガポール、ロサンゼルスで利用できるようになっている。
Direct ConnectはAWSと企業内のシステムを、インターネットを経由することなく専用線で接続させるサービス。ネットワーク帯域のスループットが上がり、ネットワーク遅延とコストが削減され、ネット経由よりも安定するというメリットがあるとしている。国内では米データセンター大手Equinixの日本法人エクイニクス・ジャパンのデータセンターで提供する。
たとえば、企業間で音楽や映像のマスタデータをやり取りする場合、AWSとオンプレミスの環境の間で大規模データのやり取りが頻発する場合など、ネットワークパフォーマンスが重要とされる局面で、その特長を生かせると説明している。専用線接続であることから、NASやSANなどユーザー企業の既存投資を生かしつつ、AWS上のクラウドを活用した拡張が可能になるとしている。
データセンターやオフィス、コロケーションなどユーザー企業のオンプレミス環境とAWSとの間にネットワークを構築して、Direct Connectを利用できるのを支援する「AWS Direct Connectソリューションプロバイダー」も増えているという。日本国内では、NTTコミュニケーションズ、KVH、ソフトバンクテレコム、野村総合研究所が認められている。
東京リージョンでは、2011年8月に「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」の提供を開始。VPCは、AWSの中に専用のプライベート領域を割り当て、ユーザー企業は割り当てられた仮想ネットワーク領域内でAWSのリソースを活用して、IPアドレスレンジの選定、サブネットの作成、ルートテーブルやネットワークゲートウェイの構成など、各種の定義付けと管理を行える。