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テレビ事業の不振にあえぐソニーとシャープ - (page 3)

大河原克行

2012-05-17 09:00

 シャープの2011年度連結業績は、売上高が前年比18.7%減の2兆4558億円、営業損失はマイナス375億円と赤字転落。経常損失はマイナス654億円の赤字、当期純損失は前年の194億円の黒字からマイナス3760億円の過去最大の赤字となった。

 シャープの奥田隆司社長は、「主要分野における売上高の大幅な減少に加えて、在庫評価減、事業構造改革費用、繰延税金資産の取り崩しなど、体質改善またはイレギュラーな費用の計上により、赤字を計上した。中小型IGZO液晶の出荷遅れなどに加え、ヒット商品やオンリーワン商品を次々に市場投入する取り組みが不足したことが主因」とするが、やはりシャープにとっても最大の課題はテレビ事業および液晶事業の不振である。

 液晶テレビを含むAV・通信機器事業は、売上高が25.6%減の1兆610億円、営業損失が61億円の赤字となり、AV・通信機器事業とともにエレクトロニクス部門を構成する白物家電事業の健康・環境機器事業、複合機などの情報機器事業が増収増益になっているのとは対照的だ。

 液晶テレビの販売台数は前年同期比17.1%減の1229万台。年度初めには1500万台、2011年10月には1350万台の計画へ下方修正。2月には再度1280万台へと修正したが、最終的にはそれをも下回る結果となった。修正に次ぐ修正後も計画に達しなかった点に、シャープのテレビ事業での苦戦ぶりが浮き彫りにされる。

 テレビ事業の売上高は27.7%減の5813億円。営業損益は赤字となっている。

 「米国ではテレビの大型化が功を奏し、海外販売は台数、金額とも前年を上回った。だが、国内テレビ市場は下期には4割を割り込む大幅な需要減退が響いた。ここまで落ち込むとは思っていいなかったのが正直なところ。2012年度上期も厳しい状況が続き、テレビ事業は赤字が続くだろうが、60型以上の大型液晶テレビの国内外での事業拡大、国内を中心とした営業体制の見直し、スリム化による収益改善が急務だといえる」と、シャープの大西徹夫常務執行役員は語る。

 また、液晶事業も厳しい状況に置かれている。液晶事業の売上高は29.8%減の7209億円と、前年度の1兆円超から、それを割り込む結果になった。また営業損失は前年の170億円の黒字からマイナス422億円の赤字となった。

シャープの大西徹夫常務執行役員
シャープの大西徹夫常務執行役員

 「モバイル向け液晶は堅調だが、大型液晶は世界的な市場環境の悪化により、工場の稼働調整を実行したことが影響。さらに在庫評価減が影響した」(大西常務執行役員)とする。

 とくに稼働調整の影響が大きかったのが、世界最大の第10世代液晶パネルを生産する堺工場において、操業率を約50%に抑えたことだった

 奥田社長は、「堺工場の稼働調整は4〜6月も引き続き行う予定。だが、年末商戦に向けての受注活動を通じて外販比率を高めることで稼働率を上げていく考えだ」とする。台湾の鴻海(ホンハイ)グループとの資本提携により、10月以降は50%の比率で鴻海グループが堺工場で生産した液晶パネルを調達することが決定しており、これも堺工場の稼働率上昇につながる。

 さらに、今年4月から亀山第2工場は、同社独自のIGZO液晶パネルの量産を開始。亀山第1工場では夏から液晶の生産を開始する予定だという。

 そして、もうひとつの課題事業が太陽電池だ。2011年度の売上高は15.7%減の2239億円、営業損失は前年の21億円の黒字から、219億円の赤字に転落した。世界的な需要悪化、価格下落の影響を受けたことが見逃せない。2012年度は今年夏の国内における「全量買取制度」の開始により、太陽電池への需要が高まるとして2010年度水準への回復を見込んでいる。

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