AWS上で稼働するSaaS型連結会計システムを採用--BCP対策としても有効

田中好伸 (編集部)

2012-08-31 16:38

 自動車販売などを展開するVTホールディングス(愛知県東海市)は連結会計システムをAmazon Web Services(AWS)上に構築した。7月から本格稼働している。システムを構築した電通国際情報サービス(ISID)が8月31日に発表した。

 VTホールディングスは自動車販売などを中心に展開する持ち株会社。30社以上のグループ企業を抱え、連結売上高959億円、連結従業員数は1917人(2012年3月期決算)。同社の連結会計システムは国内外20拠点が対象。運用負荷とトータルコストの低減が求められていた。事業継続計画(BCP)環境の構築も経営課題だったという。

 同社はISIDが開発、提供する連結会計パッケージ「STRAVIS」を活用。持ち株会社であるVTホールディングスにとって連結会計システムは重要な基幹業務の一つであり、BCP環境の構築は喫緊の課題だったと説明している。当初はBCP環境だけをクラウドで構築する計画だったが、運用負荷をトータルで抑えるには、本番環境も含めたクラウド採用が有効であると判断した。

 こうした経緯からVTホールディングスは、SaaS型連結会計システム「STRAVIS on CLOUDiS」の採用を決めている。STRAVIS on CLOUDiSは2010年からISID独自のクラウド基盤の上で提供されていたが、今年5月からはAWS上からも利用できるようになっている。AWS上でのSTRAVIS on CLOUDiSは、VTホールディングスが初の導入事例になる。

 システム運用も含めてISIDがサービスを提供することで、VTホールディングス側の運用体制は最小限に抑えることができるという。運用コストは、自社構築、自社運用の体制と比べて約3割低減できる見込みと説明。AWSは海外リージョンでバックアップできることで、大規模な自然災害にも対応でき、障害発生時も短時間で復旧できることから、強固なBCP環境が構築できたとメリットを説明している。

図 VTホールディングスが採用したSTRAVIS on CLOUDiSのシステム構成
※クリックすると拡大画像が見られます

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]