ビックカメラとユニクロが異業種コラボ店舗「ビックロ」を9月27日、東京・新宿にオープンする。
7月5日にオープンしたビックカメラ新宿東口新店(新宿三越アルコット跡地)をリニューアルし、1階〜3階までをビックロ ユニクロ新宿東口店として、地下3階〜地下1階および1階、4階〜8階までをビックロ ビックカメラ新宿東口店として構成。
ユニクロの柳井正会長兼社長は「単に二つの店舗が同じ建物のなかに出店するのではなく、『電機屋』と『服屋』が組み合えばこんなことができるという、今までにない店舗を実現したい」と位置づける。
6700坪のうち、ビックカメラが4500坪、ユニクロが1200坪の売り場面積になる。
ユニクロからビックは定番ショッピングルート
店舗のコンセプトは「素晴らしいゴチャゴチャ感」だ。
ビックカメラの宮嶋宏幸社長は、「ゴチャゴチャ感には自信があるが(笑)、『素晴らしい』という点の実現においては、洗練し、進化した店づくりを目指し、お互いのノウハウを活用していきたい」と語る。
ビックロのトータルプロデュースには、ユニクロのニューヨークやパリへの出店にも携わったクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が参画。「フロアを分けたというだけでの店舗ではなく、お互いに組み込むことでどんなことが起こるかということを考えた」と、佐藤氏は基本コンセプトを示す。
ビックカメラとユニクロの双方の文字を組み合わせた「ビックロ」の店舗名通り、まさにコラボレーション効果を想定しているといえそうだ。
両社の共同ユニフォームや、店内BGM、フロアサインやショッピングバック、レシートデザインもビックロオリジナルのものとするほか、デジタルカメラやスマートフォン、掃除機を持ったマネキンなど、家電製品を持ってポーズが可能な「ビックロマネキン」を9種類80体用意。それぞれの店舗に40体ずつ配置し、家電製品と洋服のコーディネートを提案する。また、暖房機器と一緒にヒートテックを配置するなど、製品同士の共同展示も行うという。さらにビックロロゴを採用した小物製品の販売や、家電メーカーとのコラボTシャツも販売するという。
ビックカメラの堀越雄執行役員は、「これまでにもビックカメラとユニクロは隣接する形で店舗を持っている例があったが、売り場に数分立っているだけで、ユニクロのショッピングバックを持ったお客様をビックカメラの店内で見かけることができる。ユニクロからビックカメラへというルートは定番ショッピングルートであり、ビックロでは一つの店舗で生活必需品を揃えることができるものになる」とする。
ビックカメラのポイントを交換することで、ユニクロクーポンを発行し、ユニクロ店舗内での商品購入が可能になる。また、オープンから4日間に渡り、合計7000円以上を購入すると、店内のビックロガチャで使用できるメダルがもらえるが、これもビックカメラとユニクロでの購入合算額が7000円に到達すればいいといったように、共同での販売促進策にも取り組む。
また、広告展開についても「2社の広告宣伝費用を活用できるため、過去最大の新宿ジャックができた」(佐藤氏)というように、「新宿のあらゆる通路で広告を掲載。さらに、天井や床まで新宿駅史上最大のフロアジャック広告を実現し、地下街や商店街にも圧倒的な量でビックロ広告を展開する」という。また、9月12日以降、テレビCMや新聞広告、山手線のビックロトレインなどを通じた訴求も行う。
そのほかにも、ソーシャルシューティングゲームの「ビックロベーダー」の提供や、店内に設置したインタラクティブモニターを活用して、画面に表示される自分の映像にビックロのロゴがまとわりつくといった遊びも体験できるという。