サンフランシスコで年次ユーザーカンファレンス「Dreamforce 2012」を9月18日から開催している米Salesforce.comは、「企業向けDropbox」と表現するストレージサービスの「Chatterbox」をはじめ、多数の新サービス既存製品の機能強化を発表した。
発表した新製品は、Chatterboxのほか、ソーシャルおよびモバイルの機能を実装した「Sales Cloud」、ソーシャルマーケティングの「Marketing Cloud」、人材管理の「Work.com」、Javaアプリケーション構築の「Heroku Enterprise for Java」、Salesforce Platform向け新サービスとして「Salesforce Identity」および「Salesforce Touch Platform Services」など多岐にわたる。
Chatterboxを発表
このほか、ソーシャルコミュニティとソーシャルコンタクトセンターを結ぶ顧客サービス向け製品「Service Cloud」の機能を強化する「Chatter Communities for Service」を発表。Service Cloudのユーザーが、社内など閉ざされたソーシャルコミュニティの範囲で、他のユーザーや社内のエキスパートとつながれるようになる。
FacebookのCIO、ティム・カンポス氏
新製品の中でも特に注目を集めているのがChatterboxだ。信頼性の面で企業利用を前提にしたSalesforceの環境の上で、ユーザーはデバイスの違いを気にせずに、現在使用しているビジネスアプリケーション内のファイルを顧客、パートナー、従業員とリアルタイムで管理、共有できるとしている。
もう1つ注目を集めたのがWork.comだ。これは、Salesforce.comと米Workdayが新たに結んだパートナーシップにより実現したサービス。Work.comを導入することで、企業はソーシャル上で設定した目標に基づいて従業員の一体感をつくり、個人の仕事の状況をリアルタイムに把握し、報奨を与えるといった取り組みもできるという。これにより、従業員のモチベーションを高め、フィードバックと評価を適切に実施できるとしている。
Work.com初のユーザーとしてFacebookが紹介された。CIO(最高情報責任者)を務めるティム・カンポス氏はFacebook社内では「フィードバックを特に大事にしている」と話した。
Facebook社内のシステム構成