
Microsoftがセキュリティに関してもっとも神の御許に近づいたのは、有名なBill Gates氏のメモが公開された2002年1月だ。同社は自社の製品ライン全体を通じてセキュリティを優先することを約束し、「信頼できるコンピューティング」の取り組みをスタートさせた。この取り組みは効果を発揮し、Microsoftは安全なコードを書くことに関して、業界の見本となった。しかし、同社のすべての製品の見直しを行うこの努力が成果を出すまでには、長い時間がかかった。Microsoftは「Windows Server 2003」をリリースしてから2カ月も経たずに、悪意のあるサイト上でサーバーにダメージを与えるコードを実行できる脆弱性を修正するパッチを公開しなくてはならなくなった。このセキュリティホールは、Windows Server 2003や他のMicrosoftのOSに同梱されていた、「Internet Explorer 6」に影響を与えた。リリース直後のセキュリティパッチ公開という失態があったにも関わらず、セキュリティの専門家は、Windows Server 2003のデフォルトの構成は、過去のバージョンのWindowsよりも安全だと述べている。