では、もっとも可能性の高い経済的なシナリオはどのようなものだろうか。2013年にはPC業界の販売台数は減少するとみられるが、消費者よりも企業の需要にけん引され、減少のペースは2012年と比べて緩やかになるだろう。仮に販売台数が20%減るとしても(おそらくこれは最悪のシナリオだ)、1年後の市場には2億台の新しいWindows PCが出回ることになり、そのほとんどではWindows 8が動いているはずだ。このゆっくりとした増加は、いずれ開発会社が無視できないほど大きなインストールベースを生み出すだろう。
本当の問題は、MicrosoftとそのOEMパートナーが、PCっぽく見えない、あるいはPCほど高価でない、Windows 8を搭載した製品を提供し、従来の市場の範囲を超えられるかどうかだ。その市場を打破しようとするMicrosoftの最初の試みである「Surface」は、これまで大成功を収めてはいないが、少なくともグレーのクラムシェルや黒いタワーといった見かけではないWindows搭載デバイスを作ることは可能だと証明することには成功した。
Microsoftの「Surface Pro」は1月に発売が予定されており、2013年中にSurfaceブランドでさらに多くの商品が提供される予定であることを示す証拠がある。私は2012年夏に、公開されているMicrosoftの米証券取引委員会への提出書類を読み、同社の急進的な新ビジネスプランを発見して次のように書いた。
Microsoftが今後12カ月間にさらなるPCハードウェアを出してこなければ、私は驚くだろう。
OEMはこれに対応する必要がある。
Microsoftは、ペースを上げる計画だ。それも劇的に。
これまでと同じ、少しだけ変わった古くてつまらない製品ラインを今後も続けたいと思っているPCメーカーは、富士通と同じ、ゆっくりと競争力を失っていくという運命をたどることになるだろう。この運命を避けたいと思うPCメーカーは、今から次の「クリスマス商戦」の間に、「PCらしくない」製品ラインアップを作り上げる必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。