ヴイエムウェアは2月21日、デスクトップ仮想化ソフトウェア群「VMware Horizon Suite」を発表した。市場予想価格は1ユーザーあたり3万2000円から。3月までに提供を開始する予定だ。
Horizon Suiteは、仮想デスクトップ基盤(VDI)となる「VMware Horizon View」と仮想デスクトップを階層型でイメージ管理するツール「VMware Horizon Mirage」、新製品となる「VMware Horizon Workspace」で構成される。
Horizon Workspaceは、データやアプリケーション、デスクトップを1つの統合的なワークスペースに集約する製品。管理者は、アプリケーションやデータ、デスクトップを端末単位ではなく、エンドユーザー単位やグループ単位で割り当てられるようになる。エンドユーザーは業務で利用するアプリケーションやサービスを自分でプロビジョニングできるようになるため、IT部門の負担が軽減されるという。
エンドユーザーごとに適切なアプリケーションやデータなどをあらゆる端末に迅速に導入できるようになると説明。端末などを個別に再構築したり再設定したりする必要がないため、新しい端末やエンドユーザー、アプリケーションを簡単に追加できる。管理を統合することで、エンドユーザーポリシーの適用と管理が簡素化され、システム全体の安全性を常に確保できるとメリットを強調している。
VDIの新版であるHorizon View 5.2では、HTML5対応ブラウザを使用して遠隔地にあるデスクトップにアクセスして、エンドユーザーは煩雑なクライアントソフトウェアを事前にインストールせずに、あらゆる端末から仮想のデスクトップとアプリケーションを使えるようになっている。ハードウェアで性能が拡張された3Dグラフィックスにも対応して、CAD/CAMのような複雑な画像処理が必要なアプリケーションも仮想デスクトップで活用できるという。
Horizon Mirage 4は、IT部門が所有して管理するレイヤとエンドユーザーが所有、管理するレイヤにPCを論理的に切り分ける。エンドユーザーがファイルや独自の設定を維持しながらも、IT部門は対象となるレイヤの状況を更新できる。
階層化されたデスクトップイメージのスナップショットやバックアップを作成して、障害が発生した時のリカバリやロールアップを迅速に展開できるという。アプリケーション仮想化ソフトウェア「VMware ThinApp」との統合で、アプリケーションを効率的に集約できると説明、よりスムーズにOS移行もできるという。
Horizon Suiteは、個別に導入することもできる。同ソフトウェア群は、ThinAppのほか、企業向けファイル共有基盤「Project Octopus」、HTML5を中心にした標準技術で、ブラウザから特定のアプリケーションにアクセスできるようにする技術「Project AppBlast」、VDI上のアプリケーションを管理するツール「VMware Horizon Application Manager」、モバイル端末向け仮想化基盤ソフトウェア「VMware Horizon Mobile」などを組み合わせ、統合した製品だ。