日立製作所は3月1日、小売業でのデータ利活用を支援する「流通分析ソリューション」を発表した。6月1日から順次、提供する。販売時点情報管理(POS)システムのデータ分析や会員情報を活用した顧客データ分析のほかに、Twitterの情報も活用する。
流通分析ソリューションは「商品分析システム」「顧客分析システム」「ソーシャルメディア連携システム」のほかに、すでに提供されている「データ・アナリティクス・マイスターサービス」で構成されている。
商品分析システムは、単に売り上げや粗利といった実績を表やグラフで見せるだけでなく、在庫や廃棄といったロス改善策や粗利率向上策、優良顧客を意識した品揃え策など、実業務の改善につながる各施策の立案などを支援するという。
顧客分析システムは、“RFM分析”や“デシル分析”などの分析手法で会員情報を分析し、会員への必要なアプローチ施策の決定を支援する。RFM(Recency, Frequency, Monetary)分析は、誰が一番最近買い物に来た顧客か、頻繁に来店する顧客は誰か、一番お金を使ってくれる顧客は誰かという3つの側面から分析する手法であり、デシル分析は全顧客を購入金額の高い順に十等分し、その売上構成比を分析する。
ソーシャルメディア連携システムは、POSデータとTwitterなどのソーシャルネットワーク上の情報と組み合わせて分析し、商品の評判や市場や顧客の声を迅速に察知し、予測した売れ筋商品の販売企画の立案などを支援する。
これらの複数のシステムを同時に使うことで、商品売上状況の詳細な要因分析や売数予測への活用など、新たな気付きにつながるとメリットを説明している。データ・アナリティクス・マイスターサービスは、日立に所属するデータ利活用の専門家である「データ・アナリティクス・マイスター」がデータ分析や戦略策定などを支援する。
今回の流通分析ソリューションは、日立と東京大学が共同で研究開発して、製品化した「Hitachi Advanced Data Binderプラットフォーム」をデータ処理基盤に活用している。提供予定開始日は、商品分析システムが6月1日、顧客分析システムとソーシャルメディア連携システムが9月2日となっている。