Microsoftの計画の真意は
「Surface RT」と「Surface Pro」によるMicrosoftのハードウェア面での挑戦は、PCの衰退と、自前デバイスの持ち込み(BYOD)やクラウドの台頭を乗り切る大きな戦略の一部としては、筋の通ったものだ。
Microsoftはすでに、Surfaceは同社が自社生産するデバイスの最初の例に過ぎないとほのめかしている。Microsoftはずっと昔にデスクトップOSの戦いに勝利したが、戦いは新たな戦場に移り、そこで勝つためにはハードウェアとアプリストアを支配する必要がある。
タブレットに関しては、今のところAppleが首位を走っており、Microsoftは自らハードウェアを作り、ハードウェアパートナー企業のこれまでの製品に欠けている刺激を補うという、異例の手段を取らざるを得なくなった。Surface RTは、一般消費者とBYODを行っている層に向けて作られたものであり、Surface Proはエンタープライズ水準のタブレットを市場に出そうという試みだ。一般消費者向けPC市場で起きている、Microsoftの地位を脅かす分裂が、エンタープライズ市場でも起こることを避けるには、同社はWindows 8をビジネスユーザーと一般消費者の両方に対して、説得力のあるタブレット用OSとして売り込む必要がある。
しかし、Microsoftの成功はまだまったく見えていない。
「問題は、Microsoftが一般消費者市場を支配できるのか、それとも一部だけなのかということだ。Microsoftは実際には遅れ気味であり、マインドシェアを失いつつある。ビジネス市場での存在感は大きかったものの、企業でさえ、今後コンシューマライゼーションの効果が大きくなることを意思決定プロセスで考慮し始めている」とSilver氏は述べている。
一般消費者と企業ユーザーのバランス
核となる企業ユーザーとの良好な関係を維持しながら、競合となるあらゆる圧力(タブレット、クラウド、BYODの台頭)のバランスを取るのは、Microsoftにとって非常に難しいことだ。Silver氏によれば、もし製品が一般消費者向けに偏りすぎれば、企業からそっぽを向かれるリスクを冒すことになるという。
「本当の問題は、製品の一部を一般消費者向けにしようとすれば、企業には適さなくなるということであり、彼らは今、強みを持っている市場を諦め始めているということだ」(Silver氏)
「Microsoftは大企業を支援する優れたビジネスを擁しているが、もし一般消費者側に傾きすぎれば別の問題が生じるだろう。そうなれば、企業はMicrosoftとの関わりを見直し、Appleに門戸を開くかもしれない。一般消費者向け製品を扱う企業を相手にするのであれば、相手をMicrosoftに限定する必要はないからだ」(Silver氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。