日本ヒューレット・パッカードと日本マイクロソフト株式会社は4月23日、ビッグデータ向けデータウェアハウス(DWH)事業で提携を発表した。
ビッグデータに対応する超並列プロセッシング型アプライアンス「HP AppSystem for SQL Server 2012 Parallel Data Warehouse(AppSystem for PDW)」を製品化し、専門の営業チームの設置、共同マーケティング、技術検証の共同展開などを行う。日本HP本社にはエンドユーザーとSIパートナーを対象とした「HP AppSystem Lab.」を新設し、3年で50アカウントの新規顧客獲得を狙う。
日本HP エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム事業本部 事業本部長 手島主税氏
日本HP エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 サーバー&ネットワーク製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏
日本MS 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長 梅田成二氏
Hadoopとリアルタイムに連携
両社はデータベース分野で4年前から提携。これまでに講談社の5億件分のデータ分析、エン・ジャパンのウェブサービスの使い心地向上などの事例も出ている。
今回ビッグデータビジネス拡大に向け、提携関係を強化した。(1)AppSystem for PDWの製品化、(2)両社の製品営業のバーチャルチーム化、製品やソリューションの相互トレーニング、各業界向け最適ソリューションの検証など顧客に最適な提案を行う専門営業チームの設置、(3)ジョイントセミナー、ビッグデータ活用事例の公開など共同マーケティング、(4)検証環境の整備と検証および技術情報の共有など技術検証の共同展開と公開――という4点を実施する。
「日本HPの本社にお客様やSIパートナーの皆様が検証を行うことができる施設、AppSystem Lab.を新設し、マイクロソフトの専任担当者に常駐してもらう体制を作った。マイクロソフトの世界標準データベースと、HPの世界標準のサーバやストレージ、スイッチ製品を組み合わせたアプライアンスを提供することで、3年間で新規に50アカウントのお客様獲得を目指したい」(日本HP エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム事業本部 事業本部長・手島主税氏)
同日から提供が始まったAppSystem for PDW(最小構成価格は2441万2500円~)は、(1)分散並列処理フレームワーク「Apache Hadoop」とのリアルタイム連携を実現し、DWHへのデータフィールドのボトルネックを解消するとともにMicrosoft Excelと連携することで分析作業の簡便化を実現、(2)高速並列処理「Massive Parallel Architecture」、高速処理とデータ圧縮を両立した「カラム型DBアーキテクチャー」、標準コンポーネントを採用したIAサーバ「HP ProLiant Gen8」の自働サーバ機能など高性能、高価格性能比を実現、(3)最大56ノードの拡張性――という3つを実現している。