PLM(製品ライフサイクル管理)を手掛ける米国PTCは、米国時間の6月10日から12日までの3日間、カリフォルニア州アナハイムにおいてユーザー向けコンファレンス「PTC Live Global 2013」を開催している。
PTCで社長兼CEOを務めるJames E. Heppelmann氏
期間中は世界各国から約2000人のユーザーやパートナーが参加し、150を超えるセッションやセミナーが開かている。初日のキーノートには、同社社長兼最高経営責任者(CEO)のJames E. Heppelmann(ジム・ヘプルマン)氏が登壇。「製造業の変革--製品とサービスの優位性で成功を得るために」と題し、製造業を取り巻く環境の変化について言及した。
製造業が直面する7つの外的要因
冒頭、Heppelmann氏は、「今、製造業は7つの外的要因に直面しており、既存ビジネスからの構造改革を迫られている。製品を出荷し、従来のようなアフターサービスをしていればいいという時代は終わった」と語り、製造業を取り巻く外的要因について具体的に言及した。
同氏が7つの外的要因として挙げるのは、「デジタル化」「グローバル化」「法規制(Regulation)」「パーソナライゼーション」「スマートプロダクト」「常時接続性(Connectivity)」「製品のサービス化(Product as a Service)」である。
「デジタル化」「グローバル化」「法規制」についてPTCは、3次元CADソリューションの「Creo」や、PLMの「Windchill」、ALM(アプリケーション・ライフサイクル管理)の「Integrity」といった製品を提供している。これらの製品はデータ連携と統合化が進んでおり、同社の強みとも言える分野だ。
製造業を取り巻く7つの外的要因(概念図)
今回、Heppelmann氏が強調したのは、「スマートプロダクト」と「製品のサービス化」を支える組み込みソフトウェアの重要性である。
ソフトウェアを組み込み、ネットワークに接続されたスマートプロダクトは、従来の製品よりも、より高い付加価値を提供する。例えば、一部の自動車に組み込まれているセイフティ・システム(ソフトウェア)は、障害物を感知して自動的にハンドルを操作したり、自動車同士が接近し過ぎた場合に車間距離を保ったりといったことも可能にする。こうした製品は、開発の初期段階からハードウェアとソフトウェアの設計を同期させ、情報を一元管理したうえで製造することが不可欠だ。