PCユーザーはこれまで、BYODによる生産性の向上を実現するために「iOS」や「Android」を搭載したデバイスを使用していたが、「Windows 8」でタッチインターフェースが利用できるようになったため、BYODというアプローチに存在する多くの障壁が取り除かれることになった。
あと2カ月足らずで、Windows 8.1へのアップデートが一般向けにリリースされるため、ここでこの新システムに期待できることを理解しておくのは有益だろう。Windows 8.1は、デバイス間で一貫性のあるコンピューティングエクスペリエンスをユーザーにもたらすという、企業ニーズを満足させるアップグレードを提供するものの、そういったメリットを最大限に引き出すにはインフラレベルでのアップグレードが必要となる可能性もある。
大幅なアップグレード
Windows 8.1はまったく新しいOSではないものの、大幅なアップグレードが施されているため、単なるサービスパックとして捉えるべきではない。
以下は、Windows 8.1が企業にもたらす10のメリットをまとめたものである。
#1:機動力の向上
ほとんどの企業は、業務の特定分野においてモバイル戦略を実施しているものの、IT部門の能力や技術サポート、デバイス管理などにまつわる懸念によって、機動力の提供をさらなる分野へと拡大できない場合もしばしばある。Windows 8.1ではこういった不安のほとんどが解消されるため、企業はより広範な従業員に対して、機動力による生産性のメリットを拡大できる。また、完全なマネジメントクライアントを配備しなくても、Windows 8.1を搭載したPCをモバイルデバイスとして管理することが可能になるため、これはIT部門にとってもより普遍的なマネジメントエクスペリエンスとなる。
#2:タブレットの活用
Windows 8に対応したさまざまなハードウェアが登場してきたため、企業はOSを統一し、エンドユーザーに好きなデバイスを選ばせつつも、デバイス間のインターフェースに一貫性を持たせられるようになっている。こういったデバイスにはデスクトップPCやノートPC、「Windows Phone」搭載スマートフォンが含まれており、タブレットも企業内でより多目的かつ一般的なデバイスとなりつつある。Windows 8.1であれば、タブレットの大々的な展開もサポートできる。
#3:アプリのイノベーション
Windows 8.1によって、モバイルデバイスでも従来のデバイスでもシームレスに動作する業務アプリの開発が可能になる。Windowsシステムに詳しいものの、今までモバイルアプリでそのスキルを生かし切れていなかった多くの開発者にとって、これは特に重要なメリットとなる。なお、インターフェースデザインが一新された「Windows Store」には、流れるような、かつ統一感のあるエクスペリエンスをユーザーに提供する、タブレットやPCのいずれでも使える最新のアプリが10万本以上用意されている。