経営戦略から見たビッグデータの核心

ビッグデータがもたらすスピード経営 - (page 4)

辻 大志(バーチャレクス・コンサルティング)

2013-09-05 07:30

企業の生き残りを懸けて

 前回の組織に関する検討に続く形で、今回は、ビッグデータがもたらすスピード経営環境を損なわずに、有効に生かすための体制や運営について検討した。“経営判断や意思決定を迅速に企業活動へ反映できる仕組み”と“自らが判断や決定を下し、自律的にサイクルを運営できる仕組み”が求められる中、それを構築・確立することは容易ではないが、マザーセンター制という考え方が1つの参考となれば幸いである。

 言うまでもなく、世の中のあらゆることのスピードが増している。一般消費者を見ても、これまで郵送で送られるカタログを見たり、店舗で品物を見たり、知人からの話を聞いたりして情報を得て、価格や性能を見比べながら時間をかけて吟味していた購買行動が、ネットを使って短時間でたくさんの情報を掴み、速やかに判断を下して、商品を購入するようになった。これは、一般消費者の購買行動だけに見られる事象ではない。

 企業には、さまざまな手かせ、足かせがあるが、それらを振り払い、スピードに対応していかなければ生き残れない。ビッグデータの登場により、生き残りを懸けたスピード競争はまさに本格化していると言っても過言ではないだろう。

 ここ数回に渡って、企業組織の中を見て考察してきたが、次回は、市場や環境という企業組織の外に目を移し、ビッグデータ活用による売上向上や収益向上について検討することとする。

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辻 大志(つじ たいし)
バーチャレクス・コンサルティング株式会社 経営戦略室室長
2012年6月より現職。事業展開・拡大に向けた施策やビジネスモデル構想、CRMやデジタルマーケティング等の領域を得意とする。以前はアクセンチュアで事業構想策定、CRM戦略策定、ビジネスプロセス改善、システム導入、アウトソーシング活用等といったプロジェクトに従事。その他、アジアでの新規事業構想策定、事業立ち上げ支援及び事業提携に係る調整等を推進した。バーチャレクス・コンサルティングの製品情報はこちら

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