モバイルに賭けるマイクロソフト
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏は「マイクロソフトは、これまでPCの世界をリードしてきたが、IT機器はモバイル化の方向へと進んでおり、それにアドレスできるWindowsを提供するという狙いから開発したものがWindows 8である」と同OSの意味合いを明らかにした。
「マイクロソフトが目指したのは『We bet on Mobile』。タブレットとPCの垣根を取り払い、新たなスマートデバイスの世界に対応したものとなる。個人が利用するさまざまなデバイスに対応し、それでいて、フロントエンドとバックエンドが断絶したものではなく、企業が求めるエンタープライズクラスのソリューションも実現できる」(藤本氏)
Windows 8では1億以上のライセンスを販売、SkyDrive上には110億以上の写真が保存され、Windows Storeからは2億5000万以上のアプリがダウンロードされ、Skypeでは毎日20億分の利用が法人向けの導入が増えているといった事例を示した。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部 本部長 藤本恭史氏
藤本氏は「マイクロソフトは、短い期間でよりよいアップデートを提供していく“Rapid Release”を実現する姿勢を示している。これは、デバイス&サービスカンパニーを目指す当社が、デバイスとサービスをより近い形で提供することにもつながり、それを具現化する最初の製品がWindows 8.1になる」と同OSにこめた思いを明らかにした。
「Windows 8.1は、タブレットとタッチPCをさらに使いやすくしたほか、既存のデスクトップ画面を利用するシーンがまだまだ多いということをはじめとして、さまざまなユーザーの声をフィードバックしたものであり、PCとタブレットを融合させるために、Windows 8の発売から11カ月間学んだことを取り入れ、いま必要とされるサービスや機能を取り入れている」(藤本氏)
藤本氏は企業向け用途として「Rapid Releaseによって、稼働中の企業内システムとの間でトラブルが発生しないかどうか検証する必要があるのではないかと懸念する声もあるが、同じカーネルを使用していることから影響は限定的である。顧客の声を聞きながら、新たな技術をどう導入していくかを考えていく段階にある」ことを明かした。