ネットワールドは1月15日、ネットワーク管理ソフトウェアの新版「Anuta nCloudX 2.0」の販売を開始した。税別の販売価格は月額でポートプロファイルごとに3500円となっている。IaaS事業者のほかに大規模なネットワークを運用している企業にも販売することを想定している。
米Anuta Networksが開発するnCloudXは、スイッチやルータ、負荷分散機器(ロードバランサ)、ファイアウォールなどの既存のネットワーク機器をそのまま活用できるのが特徴という。グラフィカルな画面の上でネットワーク機器のアイコンでネットワークを設計してカタログ化する。ユーザーは、RESTful APIでカタログから選んだサービスを指定すると、指定されたサービスを構成するネットワーク機器の設定をnCloudXが自動的に実行する。
nCloudXは、「Network Service Design」「Network Service Orchestration」「Network Service Management」「Network Abstraction」という4つのエンジンとコントローラで構成される。ネットワーク機器を自動的に探索し、トポロジーをマッピング、ネットワークサービスのデザインを経て、ネットワークサービスのカタログを容易に作成できるという。ユーザーがネットワークサービスを選んで利用を開始した後は、キャパシティ管理などの運用管理支援機能も搭載している。標準規格の「OpenFlow」に対応することも可能としている。
新版のnCloudX 2.0では、サポートするクラウド基盤ソフトウェアとして従来の「VMware vCloud Director」「Microsoft System Center Virtual Machine Manager」のほかにオープンソースソフトウェア(OSS)の「OpenStack」、その商用版となる「CloudStack」。新たにサポートするネットワーク機器は「Juniper SRX」「BIG-IP Local Traffice Manager」「VIPRION」「Brocade MLX/VDX」となっている。
新版では、テンプレートスクリプト機能が搭載されている。新しいスイッチの追加、スイッチの新設や初期構成時にスクリプトが実行されて、ネットワークが自動で構成されるというものだ。IPアドレスをプールグループとして管理する機能も搭載している。
論理的なネットワーク構成図やセキュリティポリシー、QoSポリシーをユーザーが選択、管理者が申請されたネットワークサービスを承認するとネットワークが自動的に構成されるようになっている。ロードバランサの仮想ホストなどサービスを動的に変更することもできるようになっている。
ネットワールドは、2013年に開設したシステム検証センター、製品の出荷前に稼働を検証するプリインテグレーションセンターでnCloudXを利用できるようにし、両施設で機能や効果を実証するようにしている。価格体系は、ポートプロファイルごとの月額がベースだが、永続ライセンスなども考慮されており、ビジネスモデルにあわせて柔軟に対応できるとしている。

nCloudX 2.0の構成イメージ(ネットワールド提供)