データ提供が直接マネタイズに
次に挙げられるのは、外部データとしてデータを提供するプレーヤーが存在し、個人情報にかかわる諸課題はあるものの、データ流通ビジネスが進みつつあるという点である。日本ではまだ活発ではないが、自社で取得しているデータを他者に提供する、あるいは他者へのデータ提供を視野に入れ、データの取得範囲を積極的に広げるといった動きが進みつつある。
データ提供そのものが直接的にマネタイズにつながる、ということも興味深いところである。企業内にはさまざまなデータがあるだけでなく、さまざまなデータを収集できる機会が多数ある。こうしたデータを提供することでマネタイズする――その上でほかのデータとの統合によりビジネス価値が上がったデータ群を利用する。そういうスパイラルが作られることだろう。
ビッグデータを通じた新たなビジネス形成
DMP上での機能の連携強化、融合も重要なポイントである。これまで事業機能や業務機能の単位で個別的に組み上げられてきたシステム機能が、管理対象のデータ範囲の拡張とデジタル機能範囲の拡張により、これまでの単位や境界線を越えて、ビッグデータ上に統合的、融合的な形で仕組み化される。これにより、システム面のみならず、業務やサービス、さらにはビジネスの機能単位も変わり、垣根が取り払われた新しい枠組みに突入することになる。
このような流れは、ビッグデータを背景に、新たな事業領域に進出する企業や新たなValue Propositionを築く企業を誕生させることになるだろう。