経営戦略から見たビッグデータの核心

ネット広告領域に見るビッグデータ活用の方向性 - (page 3)

辻 大志(バーチャレクス・コンサルティング)

2014-03-18 07:30

データ提供が直接マネタイズに


 次に挙げられるのは、外部データとしてデータを提供するプレーヤーが存在し、個人情報にかかわる諸課題はあるものの、データ流通ビジネスが進みつつあるという点である。日本ではまだ活発ではないが、自社で取得しているデータを他者に提供する、あるいは他者へのデータ提供を視野に入れ、データの取得範囲を積極的に広げるといった動きが進みつつある。

 データ提供そのものが直接的にマネタイズにつながる、ということも興味深いところである。企業内にはさまざまなデータがあるだけでなく、さまざまなデータを収集できる機会が多数ある。こうしたデータを提供することでマネタイズする――その上でほかのデータとの統合によりビジネス価値が上がったデータ群を利用する。そういうスパイラルが作られることだろう。


ビッグデータを通じた新たなビジネス形成

 DMP上での機能の連携強化、融合も重要なポイントである。これまで事業機能や業務機能の単位で個別的に組み上げられてきたシステム機能が、管理対象のデータ範囲の拡張とデジタル機能範囲の拡張により、これまでの単位や境界線を越えて、ビッグデータ上に統合的、融合的な形で仕組み化される。これにより、システム面のみならず、業務やサービス、さらにはビジネスの機能単位も変わり、垣根が取り払われた新しい枠組みに突入することになる。

 このような流れは、ビッグデータを背景に、新たな事業領域に進出する企業や新たなValue Propositionを築く企業を誕生させることになるだろう。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]