従来のITシステムに囲まれたビジネスの場合、そのプロセスを変更するのは困難だった。現在求められているのは、柔軟なITシステムによって、ビジネスの方法を変えられる環境の構築だ。例えば、Twitterから入ってくる情報をもとにビジネスプロセスを変更したり、提供するサービスや製品の内容を変えたりする。そうしたリアルタイム性やスピードが必要だとLeBlanc氏は主張した。
「今の静的なシステムを単にクラウド化しただけでは意味がない。あらゆるクラウドとITを相互に接続し、ダイナミックに活用できる環境が必要だ。クラウドだからといって、従来のスケーラビリティやセキュリティを諦める必要はない」(LeBlanc氏)
LeBlanc氏は、クラウドによってさまざまな業務の変化が起きるとする。特に開発者はイノベーションを創り出す存在であり、“次世代のサービスやアプリケーションの鍵”であり、新しい可能性が開かれるだろうとした。
また同氏は「毎週新しいモバイルアプリをユーザーへ届けようとする企業もある。従来は18カ月かかっていた開発サイクルは今後、18日間が主流になるかもしれない」とし、そのスピード感を提供する新しい開発環境として、オープンスタンダードベースでさまざまな開発言語に対応するPaaS「BlueMix」を紹介した。
「クラウドは、ビジネスを成長させる原動力だ。クラウドを活用すれば、さまざまな分野でイノベーションを起こすことができる。IBMがクラウドにどれほどコミットしているかは、巨大な投資額を見ていただければわかるだろう。私たちは、クラウドビジネスをリードし、包括的なサービスや製品を提供していく」(LeBlanc氏)
会場に設営されたブースでは、IBMの製品やビジョンが紹介された