いちよし証券は商品や顧客のデータ分析用データウェアハウス(DWH)基盤をDWH専用データベース「InfiniDB」で刷新することを決めた。アシストが4月22日に発表した。
いちよし証券は、顧客ニーズにあわせた金融商品やサービスの提案に力を入れている。早くからDWHを導入し、約6000万件の取引データや40万件の顧客データなどを分析、戦略的な商品やサービスの開発、販売推進などに活用してきた。
既存のDWH基盤に使っているリレーショナルデータベース(RDBMS)では検索処理に時間がかかるようになり、性能を改善するためのチューニングや夜間バッチでも期待した結果には至らず、むしろ開発や運用のコストが増大してしまうという課題を抱えていた。
今後、データ量が増加し、それに伴うシステム拡張の必然性が考えられることから抜本的な改善が必要と判断した。高速なデータ分析処理に重点を置き、DWH構築に適したデータベースを比較し、性能だけでなくメンテナンスや運用コストなどを考慮して、バランスの取れたInfiniDBの導入を2013年6月に決定した。
InfiniDBは列指向型のデータベース。優れたデータ圧縮率に加え、インデックスが不要でも極限までI/Oを削減できるという。高速かつ安定した性能であり、スケールアップ型でもスケールアウト型でもリニアに性能を向上できるという。これまでDWH専用アプライアンスが得意とした大量データの分析をより低コストで実現するとしている。
いちよし証券では、新しいDWHシステムのカットオーバーを予定しており、現在、部署ごとにサイロ化しているシステムやデータの統合を進めている。新システムのカットオーバー後は、正確かつ迅速な情報解析や意思決定の基盤として活用していく。