#2:給与に依存している
Sun氏は、「起業したがっている友人すべてに尋ねる最初の質問には『6カ月間給与無しで過ごす覚悟はあるか?』というものもある」と述べている。
Sun氏の見方は受け入れにくいが、現実的である。また、給与無しを覚悟すべき期間は6カ月より長いと考えている創業者もいる。UniKey TechnologiesのPhil Dumas氏は、2年間無給で過ごせるだけの十分な貯金ができるまで待ったうえ、最終的に自らの給与を支払えるようになるまでに2年半かかったという。
創業者として、特に従業員を抱えている場合、あなたのお金は自らのものになる前に従業員のものになる。Sun氏によると、これはシードラウンドのような資金調達の初期段階で資金を集めている場合、特に言えることだという。シードやエンジェルとなる投資家が創業間もない会社に投資している場合、彼らはおそらくあなた自身が給与を手にすることに嫌悪感を示すはずだ。
Mahdara氏によると、起業しようという人は、自らの給与に関する心配のみを拭い去れればよいというわけではないという。
Mahdara氏は「誰かが健康保険に加入できるかどうか心配だと言ってきた場合、その人は起業家ではないと明確に判断できる。これはおかしな言葉に聞こえるかもしれないが、会社を興そうという場合には、こういった心配は首をもたげてこないものなのだ」と語っている。
また、給与を諦める意思があるだけでなく、学ぶ覚悟もできていなければならない。
#3:新たな役割を学ぶ気がない
あまりにも多くの起業家が、自らの持つスキルセットを利用できるという前提を置いて会社を興そうとする。もしも開発者のスキルだけで、あるいは営業のスキルだけで会社を興せると考えているのであれば、すぐに厳しい現実に直面するはずだ。
Sun氏は「起業家になる覚悟ができていないもう1つのサインは、自らの機能的専門分野にとどまり、自らの知らないことを任せられる人材を雇用しようと考えているかどうかだ」と述べるとともに、「つまり起業家は、多くのことがらを単に一般的なレベルにとどまらずに実行していくという必要があるのは明らかなのだ。どのことがらも極めて上手にこなさなければならない」と語っている。
創業者は、自らが行うことと、そのやり方を知っていなければならない。新興企業は得てして人材を雇用したり、誰かを特定の作業に従事させられるという保証のないような不安定な環境を伴う。このため、必要に応じて自らがその役割を全うし、作業を完遂させるという心づもりをしておかなければならない。
Hogg氏は起業家の卵の覚悟を見極めるために一連の質問を投げかけるそうだが、それらに答えを返すには「さまざまな対象についての幅広い考えと、ゼネラリストとして成功する能力が必要」なのだという。