こんにちは、ライターの山谷と申します。中国という泥沼に片足を突っ込んで以来10年超中国のITを見ています。その10年間で知と経験を積み重ねたつもりではありますが、肩の力を抜いて読めるような中国のビジネス絡みのちょっとした話を、最新のデータと共にアウトプットしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
さて見かけは似ている日本人と中国人。13億いればいろんな顔があるもので、筆者自身も上海でそっくりさんに出会ったことがあり驚いたことがある。でも見かけと異なり、生活習慣とか育った環境が全く異なる。知り合いの中国人に言わせれば、日本人は宇宙人だという。日本の企業が中国に進出する際には、それなりに社風に現地化のアレンジを行っているだろうが、それでもベースは日本企業。中国人から見れば、なかなかどうして異世界のような常識がそこにある。そこで日本企業で働く中国人が感じる日本企業の評判を紹介しよう。
1 「日本企業は落ち着いている。無欲な人に実はオススメ」
日本人にとって外資系企業といえば、有能な人材を取り入れ、不要な人材はバサッと切り捨てるイメージがあるが、逆に中国人から見ればリストラされにくい。上昇志向の中国人は日系企業への就職について「経営者は日本人ばかりで将来に期待が持てない。いい役職を中国人に譲らない、ケチだ」という不満を出すが、反対に日々安定して生きていきたい、という無欲な中国人にとっては実にいい職場なのである。また機密情報漏えいや大ミスなどで会社に損害を与えようが、日系企業では始末書や降格で済むケースがままある。在中日本企業は悪用されぬよう。
2 「中国企業はよほどブラック」
日系企業は安定しているのは前述したとおりだが、加えて福利厚生がしっかりしているのも魅力の1つ。残業は当たり前のように行われ「長め」と悪評の一方で、残業代はちゃんと出ると評判だ。逆に言えば多くの人が働く中国の中小企業では、福利厚生がなく、残業代コミコミ月収いくらで働かされている。
3 「プライベートスペースがない」
地場企業や外資系では、ローパーテーションでデスクの前にプライベート空間ができるが、ローパーテーションを採用する日本企業は少なくて落ち着かないという声を聞く。日々持ち込むモノがルールで制限されているのに加え、プライベート空間をあまり飾ると注意されるので、そこを緩くしてほしいという声も。またプライベート空間でいえば、以前はMP3プレーヤー、今はスマートフォンの充電をパソコンのUSBポートから行ったり、パソコンにある程度自分で好きにソフトを入れてしまう中国人社員は多いが、これを許している日系企業は少なからずある。