多くのテクノロジ企業と同様、Intelはウェアラブルテクノロジが次の目玉になると考えている。そしてIntelはウェアラブル製品について、現在市場にあふれているスマートウォッチやフィットネスバンドよりはるかに大きなことを考えている。
同社の「Jarvis」ヘッドセット(「Google Glass」のライバル製品として意図されたIntelのスマートヘットギア)から、「Edison」開発プラットフォームや「Galileo」マイクロコントローラボードに至るまで、Intelはデバイスの革命に向けて力を入れている。
Intelのヘルツリーヤ開発センターのディレクターであるRonen Sofer氏が、「Jarvis」テクノロジを搭載したイヤピースを持ち上げて見せているところ。ヘルツリーヤ開発センターはJarvisの開発に「関与していた」とSofer氏は語る。
提供:Intel
Intelの広報担当者は米ZDNetに対して、次のように語った。「われわれは2020年までには、年間5億台のウェアラブル製品が販売されるようになると予想している。最近数カ月、数多くの企業と話し合ってきた。そうした企業は、ウェアラブルテクノロジの活用方法について、すばらしいアイデアをたくさん持っている」
Intelの動画を信じるならば、ウェアラブルテクノロジというのは、歩数計やしゃれた腕時計型デバイスをはるかに超えるものだ。この動画では、パーソナル音楽システムで再生されている楽曲に合わせてデザインが変わるTシャツや、デザインパターンが変化して蝶を引きつけ、蝶が止まるとダイアログボックスが出てきて、その蝶の情報が表示されるジャケットが紹介されている。さらに、サーファーは自分のウェットスーツに表示された情報を見て、最新の水温や波の状況を確認できるようになっており、その情報は気象センターにも送信される。また、ネットワーク接続されたスマートパッチには、血圧や運動による消費カロリーなどの生体データが表示され、またレストランのメニューをスキャンすることで、そのメニューの料理に含まれる栄養素についての情報を知ることができる。
こうしたことすべてが可能になる時期について、Intelは具体的に明らかにしていない。しかし同社がわりとすぐに市場に登場すると考えているのは、こうした種類の製品だ。
現在、ウェアラブルテクノロジ分野では、年間約5000万台のデバイスが販売されている。その大半は、着用者の脈拍を測定し、生体データをアプリと同期する機能を備えたフィットネスバンドだ。
もちろん、こうしたデバイスの人気は将来的にも変わらないだろうが、ウェアラブル市場を今後5年間で10倍の規模に成長させようとしているのは、この分野ではない。
Intelの広報担当者は、「ウェアラブルテクノロジは、機能と形態が両立したとき、その価値と人気がさらに高まる」と述べている。テクノロジがより魅力的になり、ユーザーのセンスによりなじむようになるほど、広く採用される可能性が高くなる。そのために、Intelは最近、ニューヨークのハイエンドなファッション専門店Barneysなど、いくつかのメーカーや小売業者との提携を発表している。
しかし、衣服メーカーが適切なフォームファクタを開発できるようになるために、Intelとしては、チップやプロセッサを衣服やデバイスに取り付けてもあまり目立たないように、テクノロジを小型で強力、かつ柔軟性の高いものにする必要がある。