そのために、Intelはいくつかのプラットフォームを開発している。その1つがEdisonで、これはWi-Fi、Bluetooth、メモリ、ストレージを内蔵するチッププロセッサ上のシステムだ。EdisonはSDカードの大きさで、これは衣服に取り付けるのに十分なほど小さい。さらに最近アップグレードされたモデルには、ほぼどんな種類のセンサでも接続可能なセンサハブがある。
Intelは、Edisonのほかに、Galileoというマイクロプロセッサボードも提供している。これはEdisonよりも少し大きく、「Arduino」ソフトウェアプラットフォームとの互換性がある。IntelはGalileoから得たアイデアをパートナー企業に持ち込んで、同社のテクノロジをベースとしたウェアラブル製品の開発ができるかもしれない。
Galileoボードは、オープンソースのArduinoソフトウェアプラットフォームとともに動作するよう設計されている。このArduinoは、センサの情報を使ってデバイスを制御することができる。これは、Intelの「Make it Wearable」チャレンジの参加者にとっては便利な機能だ。Make it Wearableチャレンジは、同社が数カ月前から実施しているコンテストで、ウェアラブルテクノロジの熱心なファンからアイデアを募集しており、大賞受賞者には50万ドルが贈られることになっている。このコンテストは、イスラエルを含む27カ国の人々を対象としている。
Consumer Electronics Show(CES)でIntelは、同社が予想するウェアラブル市場の方向性をはっきりと示す、同社のテクノロジをベースとする製品を発表した。乳児の状態をモニターする「Mimo Baby Monitor」は、呼吸や体温、動き、寝ている時の姿勢などのデータを計測する多数のセンサを搭載しており、乳児を着替えさせたり、動かしたり、病院に連れて行ったりする必要がある場合には、親はすぐに気づくことができる。
この製品は、実際のセンサデバイスが取り外し可能なので、ある程度は「ウェアラブル製品」と見なされるに過ぎないが、Intelが目指しているのは、実際に衣服やアクセサリの中に織り込まれるテクノロジだ。内蔵部品が洗濯などの日常的な摩耗に耐えられるようにすることは、そうしたテクノロジの開発に不可欠な要素である。
そこで登場するのがJarvisで、これもCESで発表されたテクノロジだ。Jarvisは常時接続のデジタルアシスタントで、現在はBluetooth方式のイヤピースに組み込まれているが、違ったフォームファクタにすることも可能だ(Intelの動画には、Jarvis搭載と思われるスマートグラスが登場する)。
Intelによれば、Jarvisはオンラインでもオフラインでも使えるようになる予定だという。また、音声処理機能を搭載することで、Appleの「Siri」や「Google Now」と張り合える存在になるとしている。
IntelはJarvisについて、イスラエルのチームがその開発に関与したとは言うだろうが、これまであまり多くを明らかにしていない。しかしIntelが最近買収した、イスラエルのスタートアップ企業Gingerの自然言語処理プラットフォームは、Jarvisの音声認識機能にうまく適合する。IntelはGinger買収の詳細な金銭的条件や、同社のテクノロジを取り入れる具体的な方法については明らかにしていないが、買収額は約3000万ドルとみられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。