また、同調査では情報セキュリティソリューション別の導入率も図のように整理している。この図で色分けされた3段階が、上から松竹梅の選択肢のイメージだそうだ。
企業における情報セキュリティソリューション別の導入率 (SIEM:セキュリティ情報イベント管理、ATD:適合型防御システム、WAF:ウェブアプリケーションファイアウォール、DLP:情報漏えい対策、IDS:不正侵入検知システム、IPS:不正侵入防止システム)
礒田氏の話はまさしく、情報セキュリティ対策を経営判断のもとで上手に推進するテクニックといえるだろう。
「日本の政府・公共機関のITシステムは、もっとグローバル化を進めるべきだ」 (米Oracle Hong-Eng Koh シニアディレクター)
米Oracleの Hong-Eng Koh シニアディレクター
日本オラクルが先ごろ開いた政府・公共機関向けソリューションに関する記者説明会で、来日した米Oracle法執行機関・公安グローバルリード シニアディレクターを務めるHong-Eng Koh (ホン・エン・コー)氏が説明に立った。同氏の冒頭の発言は、質疑応答で筆者が日本の政府・公共機関のIT利用状況についてどのように見ているかと尋ねたのに対し、自らの印象を語ったものである。
Koh氏は政府・公共機関向けの製品やサービスが求められる背景について、警察・法執行機関、司法機関、矯正施設、入国・越境管理、緊急災害対応などにおいて、それぞれに個別のITシステムがサイロ化した状態で使われていることが多く、情報共有が図られていないケースが多いことを挙げた。
それに対し、オラクルでは、インテリジェンス・ハブ・アラート、治安維持などの警察活動、統合された司法管理、矯正プラットフォーム、高度な国境プラットフォーム、緊急事態管理、サイバー・インテリジェンス、統合映像監視といった8つのソリューションを展開しているという。
会見では、これらの製品やサービスの中から代表的な活用事例も幾つか紹介された。例えばインテリジェンス・ハブ・アラートでは、イタリア内務省においてビッグデータを活用して効果的な人員配置と治安維持を確保しているケースや、アルゼンチン連邦警察におけるソーシャルメディアを駆使した警察活動といった具合だ。
そうした説明を自らの体験談も交えながら語るKoh氏の経歴がまたユニークだ。シンガポール警察(SPF)の奨学金制度のもと大学を卒業した後、SPFに勤務した同氏は、いくつかの役職を経て、最後はコンピュータシステム部門長を歴任。それをきっかけにIT分野で政府・公共機関向けソリューションを長年にわたって手掛けてきたエキスパートである。
そんなKoh氏の目には、日本の政府・公共機関のITシステムはまだまだ閉鎖的に映ったようだ。同氏の冒頭の発言はそれを表現したものだが、意図するところは、もっとグローバル化を進めるならばオラクルのソリューションが大いに貢献できるといったところだろう。会見を通して、豊富な経験からくる自信に溢れたプレゼンテーションや質疑応答での受け答えが強く印象に残った。