ヤフーはコンテンツ配信網(CDN)を刷新、強化し、従来の5倍となる200Gbpsの広帯域ネットワークを構築。ファイアウォールも刷新した。フォーティネットジャパンが9月29日に発表した。
ヤフーのCDNは、関東と関西の両データセンターに配置され、Yahoo! JAPANのニュースや「ヤフオク!」などのサービスインフラの一部として利用されている。これまでは帯域幅40Gbpsであったが、スマートデバイスの急速な普及や動画像などリッチコンテンツの増加を背景に、トラフィック量やセッション数、コネクション数の増大に対応するためCDNの刷新を決定した。
新CDNのコアを構成するスイッチやルータなどのネットワーク機器とともに、2013年秋からファイアウォールの検討を開始した。新たなCDNのネットワーク帯域は、従来の5倍の200Gbpsとなるため、セキュリティを保護するファイアウォールにもボトルネックとならぬよう高性能が求められるた。
製品選定では、過去のイベント時のコネクション数などCDNの運用経験から割り出した、秒間交換処理数(Connection per Second:CPS)80万に対し、トラフィックログをロスすることなく処理できる性能を要件とした。ログによるトラフィックの可視化やセキュリティに関するイベントログ解析でCDNを保護する狙いがあったという。そのほかの要件として、省スペースや低消費電力なども挙げられていた。
以上の要件で複数ベンダーのファイアウォールを比較、検討した結果、データセンター向けファイアウォール「FortiGate-3700D」が採用された。FortiGate-3700Dは、40ギガビットイーサネット(GbE)を4ポート、10GbEを28ポート搭載し、1台で最大160Gbpsのスループットを実現し、トラフィックログをロスすることなく20万CPSを処理できるという。
FortiGate-3700Dは、自社開発の特定用途向けIC(ASIC)を搭載し、IPv4とIPv6のトラフィックで同等の性能を発揮すると説明する。80万CPSを達成するため、2つのデータセンターに各4組8台を組み合わせて設置され、サーバを収容するコアスイッチとのアップリンクに80Gbps(40GbE×2)、ダウンリンクに80Gbps(10GbE×8)のインターフェースを割り当てることでスループットとコネクション処理を実現しているという。
データセンターネットワーク概略図(フォーティネット提供)