オーランド発--Appleの共同設立者であるSteve Wozniak氏がテクノロジに夢中だというのは、控えめな表現だ。同氏はエンジニアリングや、アイデアやコンセプトに人間味を加えて実現する開発者のことになると、テクノロジと同じくらい興奮しやすい。
「開発者は、どういった新しいものが、開発されて最終製品となる可能性があるのかを分かっている。あらゆる前進は開発者のおかげだ」(Wozniak氏)
自分は10年前にアイデアを抱いていたが、それを製品化しなかったという発言は見当違いだとWozniak氏は言う。「SF作家でも同じアイデアなら思いつく」からだ。
Wozという愛称でも知られるWozniak氏は、Appleで果たした役割で最もよく知られるテクノロジ業界の象徴的存在だが、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)の初期開発だけでなく、ソリッドステートストレージを手がけるFusion-ioにも関わってきた。Fusion-ioは最近、SanDiskに買収されている。現在、Wozniak氏の情熱は、ガジェットとテクノロジいじりを別にすれば、才能ある若手エンジニアを励まし、育成することに注がれている。
Appleの共同設立者であるWozniak氏は、Gartner Symposiumにおいて非常に早口で話しまくり、聴衆をその早口と同じペースで楽しませた。テクノロジへの情熱が内側からあふれ出す、熱狂的な人物だ。その話題は、2ドル札からCD、イノベーション、イーサネットコードまで、あらゆるものに及び、聴衆を沸かせた。Wozniak氏を興奮させられないテクノロジなどない。
「私はガジェット志向なので、自分で試してみている。自分で試すためには、手に入れなければならない」(Wozniak氏)
Wozniak氏は、オープンで近づきやすい人物でいようと心がけているので、さまざまな話題についてエンジニアから寄せられた数え切れないほどのアイデアや質問に応対することになった。同氏が語った中で繰り返しみられたテーマは、大衆ではなく、自分にとって重要と思えるテクノロジや製品を開発するということだ。
Gartnerのアナリストらはさまざまな話題について矢継ぎ早に質問をし、Wozniak氏がそれを気の利いた言葉で素早く返すというゲームを楽しんだ。Wozniak氏はあれこれと話した末に、質問を忘れてしまうことも珍しくなかった。