大衆ではなく自分にとって重要な製品を--S・ウォズニアック氏が語る開発への思い

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-10-13 08:00

 オーランド発--Appleの共同設立者であるSteve Wozniak氏がテクノロジに夢中だというのは、控えめな表現だ。同氏はエンジニアリングや、アイデアやコンセプトに人間味を加えて実現する開発者のことになると、テクノロジと同じくらい興奮しやすい。

 「開発者は、どういった新しいものが、開発されて最終製品となる可能性があるのかを分かっている。あらゆる前進は開発者のおかげだ」(Wozniak氏)

 自分は10年前にアイデアを抱いていたが、それを製品化しなかったという発言は見当違いだとWozniak氏は言う。「SF作家でも同じアイデアなら思いつく」からだ。

figure_1

 Wozという愛称でも知られるWozniak氏は、Appleで果たした役割で最もよく知られるテクノロジ業界の象徴的存在だが、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)の初期開発だけでなく、ソリッドステートストレージを手がけるFusion-ioにも関わってきた。Fusion-ioは最近、SanDiskに買収されている。現在、Wozniak氏の情熱は、ガジェットとテクノロジいじりを別にすれば、才能ある若手エンジニアを励まし、育成することに注がれている。

 Appleの共同設立者であるWozniak氏は、Gartner Symposiumにおいて非常に早口で話しまくり、聴衆をその早口と同じペースで楽しませた。テクノロジへの情熱が内側からあふれ出す、熱狂的な人物だ。その話題は、2ドル札からCD、イノベーション、イーサネットコードまで、あらゆるものに及び、聴衆を沸かせた。Wozniak氏を興奮させられないテクノロジなどない。

 「私はガジェット志向なので、自分で試してみている。自分で試すためには、手に入れなければならない」(Wozniak氏)

 Wozniak氏は、オープンで近づきやすい人物でいようと心がけているので、さまざまな話題についてエンジニアから寄せられた数え切れないほどのアイデアや質問に応対することになった。同氏が語った中で繰り返しみられたテーマは、大衆ではなく、自分にとって重要と思えるテクノロジや製品を開発するということだ。

 Gartnerのアナリストらはさまざまな話題について矢継ぎ早に質問をし、Wozniak氏がそれを気の利いた言葉で素早く返すというゲームを楽しんだ。Wozniak氏はあれこれと話した末に、質問を忘れてしまうことも珍しくなかった。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]